家族滞在から高校卒業後に就職する場合のビザ変更 |定住者・特定活動への変更手続きと審査ポイント
最終更新日:| 監修:行政書士 佐野 誠(2001年登録)

結論からいうと、家族滞在で日本に在留している子どもが高校卒業後、資格外活動許可の範囲(原則週28時間以内)を超えて就職する場合は、就労開始前に在留目的に合った在留資格へ変更する必要があります。
父母に同伴して「家族滞在」で入国し、日本の高校を卒業後に就職する方については、入管庁が一定の要件を満たす場合の「定住者」または「特定活動」への変更を案内しています。
このページでは、家族滞在から就職を選ぶ場合の定住者・特定活動への変更要件、必要書類、審査上の注意点を2026年の入管庁公表情報に沿って解説します。
1. 家族滞在で高校卒業後に就職する場合の基本方針
在留資格「家族滞在」は、一定の在留資格で日本に在留する方の扶養を受ける配偶者・子として行う日常的な活動を対象とする在留資格です。 資格外活動許可を受けた場合でも、包括許可による就労は原則として1週28時間以内です。 そのため、高校卒業後にこの範囲を超えて就労する場合は、就労開始前に在留資格変更を検討する必要があります。
- 通常の「技術・人文知識・国際業務」等の就労資格には学歴・実務経験等の要件があります。
- 父母に同伴して「家族滞在」で入国し、日本の高校を卒業した方については、一定の要件を満たす場合、「定住者」または「特定活動」への変更対象となる取扱いがあります。
- この取扱いでは、教育歴、入国時の年齢、家族滞在での在留継続、就職先の決定、公的義務の履行などを確認します。
採用企業にとっても、就労開始前に本人がどの在留資格で働くのかを確認することは重要です。 雇用契約・労働条件通知書・内定通知書等は、定住者・特定活動への変更申請で就職先が決定していることを示す基本資料になります。
2. 定住者・特定活動のどちらを選ぶべきか(適用パターン別)
高校卒業後の就職で「定住者」と「特定活動」のどちらが対象になるかは、単に雇用形態や希望だけで選ぶのではなく、 日本での教育歴など、入管庁が公表している要件への該当性を確認して判断します。
1. 定住者への変更が検討されるケース
入管庁は、次の要件すべてに該当する方を「定住者」への変更対象として案内しています。
- 日本の義務教育(小学校・中学校等)を修了していること
- 日本の高等学校等を卒業していること、または卒業見込みであること
- 入国後、引き続き「家族滞在」で日本に在留していること
- 入国時に18歳未満であること
- 就労先が決定していること(内定を含む)
- 住居地の届出等の公的義務を履行していること
なお、「家族滞在」以外の在留資格で在留している場合でも、「家族滞在」の在留資格該当性がある方(「留学」等)は、この取扱いの対象となる場合があります。 また、この取扱いは資格外活動許可の範囲(1週28時間)を超えて就労する場合を対象としています。
定住者は就労活動に基づく在留資格ではないため、許可後は就労できる職種について原則として就労資格のような活動上の制限はありません。
2. 特定活動への変更が検討されるケース
「特定活動」については、入管庁が次の要件すべてに該当する方を変更対象として案内しています。
- 日本の高等学校等を卒業していること、または卒業見込みであること
- 扶養者が身元保証人として日本に在留していること
- 入国後、引き続き「家族滞在」で日本に在留していること
- 入国時に18歳未満であること
- 就労先が決定していること(内定を含む)
- 住居地の届出等の公的義務を履行していること
高校に途中から編入した方は、高校卒業に加えて、 日本語能力試験(JLPT)N2以上、またはBJTビジネス日本語能力テスト400点以上を証明する資料が必要です。 この特定活動についても、資格外活動許可の範囲(1週28時間)を超えて就労する場合が対象です。
入管庁は2024年7月に、この高校卒業者向けの取扱いについて「特定活動」から「定住者」への変更許可要件を追記し、 同年9月には「5年以上在留」に算入できる期間を明確化しました。
- 日本の高校卒業以上の学歴があること
- 高校卒業後、就労目的の「特定活動」または就労資格(技能実習を除く)で5年以上在留していること
- 就職先が決定していること(内定を含む)
- 申請人本人に独立生計維持能力が認められること
- 入管法上の届出義務・公的義務を履行していること
日本の大学、一定の専門学校、高等専門学校、高等学校専攻科等で教育を受けた後に就職した場合は、 その教育期間を5年以上の期間に算入できる場合があります。
3. 家族滞在から定住者・特定活動への変更要件と必要書類
家族滞在から定住者・特定活動へ変更する場合、まず入管庁が公表している基本的な提出資料を揃えます。 審査の過程で、個別事情に応じて追加資料を求められる場合があります。
1. 本人が準備する主な書類
定住者への変更では、主に次の資料が案内されています。
- 在留資格変更許可申請書(T)
- 写真
- 日本で義務教育を修了した経歴を記載した履歴書
- 日本の小学校・中学校の卒業証書の写し、または卒業証明書
- 日本の高校を卒業したこと、または卒業見込みであることを証明する書類
- パスポート、在留カード
特定活動への変更では、主に次の資料が案内されています。
- 在留資格変更許可申請書(U・その他)
- 写真
- 日本の高校への入学日を記載した履歴書
- 入学日の記載がある高校の在学証明書
- 日本の高校を卒業したこと、または卒業見込みであることを証明する書類
- 高校へ編入した場合は、JLPT N2以上またはBJT400点以上を証明する資料
- パスポート、在留カード
2. 保護者側が準備する主な書類
共通して世帯全員が記載された住民票が基本資料です。 特定活動では、「家族滞在」で在留していたときの扶養者を保証人とする身元保証書が必要です。 定住者についても身元保証書が提出資料として案内されています。
課税証明書・納税証明書、在職証明書、家族関係資料などは、今回の在留資格変更時の公式基本リストに一律の必須資料として列挙されているものではありません。 ただし、審査の過程で個別事情に応じた追加資料を求められる場合があります。
3. 就職先企業が準備する主な書類
就職先が決定していることを証明するため、 雇用契約書、労働条件通知書、内定通知書等を提出します。 内定通知書に雇用期間・雇用形態・給与の記載がない場合は、それらが確認できる求人票等も併せて提出します。
会社概要、登記事項証明書、詳細な職務内容説明書等は、この高校卒業者向け変更手続の公式基本リストでは一律の必須資料として示されていません。 もっとも、申請後の審査で上記以外の資料を求められる場合があります。
4. 不許可・追加資料になりやすいポイント
この手続では、まず入管庁が公表する対象要件を満たしているかを確認することが重要です。 「生活基盤があるか」といった抽象的な説明だけではなく、教育歴・入国時年齢・在留状況・就職先・公的義務の履行を資料で確認します。
- 入国時に18歳未満という要件を満たしていない
- 定住者を希望するが、日本の義務教育修了を確認できない
- 高校卒業・卒業見込み、または就職先の決定を必要書類で確認できない
- 特定活動で高校編入者に該当するが、必要な日本語能力を証明できない
- 住居地の届出等、入管法上の届出義務や公的義務に問題がある
- 雇用契約書等から雇用期間・雇用形態・給与など必要な労働条件を確認できない
また、入管庁は公表されている基本資料以外にも、審査の過程で追加資料を求める場合があると案内しています。 申請前に、どの要件に該当し、どの資料でそれを証明するかを整理しておくことが重要です。
5. 家族滞在から定住者・特定活動への変更でよくある質問
いいえ。このページで説明している定住者・特定活動への変更は、高校卒業後に日本で就労する方を対象とする取扱いです。 専門学校や大学へ進学する場合は、現在の「家族滞在」を継続できるか、進学目的に応じて「留学」へ変更するかを個別に確認します。 進学しただけで必ず定住者・特定活動へ変更する制度ではありません。
家族滞在で包括的な資格外活動許可を受けて働く場合は、原則として1週28時間以内です。 その範囲を超えて就労する場合は、就労開始前に在留資格変更を検討する必要があります。 「正社員」という名称だけではなく、実際の勤務時間・活動内容と、本人がどの在留資格の要件を満たすかを確認します。
雇用形態の名称だけで一律に許可・不許可が決まると入管庁が示しているわけではありません。 この高校卒業者向けの取扱いでは、就労先が決定していることが要件であり、 雇用を証明する書類には雇用期間・雇用形態・給与等が確認できることが求められています。 また、この取扱いは資格外活動許可の範囲(1週28時間)を超えて就労する場合を対象としています。 個別の勤務条件が制度要件に合うかを確認する必要があります。
まず、希望する仕事内容が「技術・人文知識・国際業務」など通常の就労資格の要件に該当するかを確認します。 一方、父母に同伴して家族滞在で入国し、日本の高校を卒業後に就職する方については、 通常の就労資格の学歴等の要件を満たさない場合でも、入管庁が公表する条件を満たせば「定住者」または「特定活動」への変更対象となる場合があります。 したがって、「まず就労ビザ」と一律に決めるのではなく、本人の教育歴・入国時年齢・在留状況・仕事内容等から該当する資格を確認します。
6. 家族滞在から定住者・特定活動への変更まとめ
家族滞在で日本に在留する子どもが高校卒業後、資格外活動許可の範囲を超えて就職する場合は、 就労開始前に在留目的に合った在留資格への変更を検討する必要があります。
- 定住者:日本の義務教育修了、日本の高校卒業等、入国時18歳未満、就職先決定、公的義務履行などの公表要件を確認する。
- 特定活動:日本の高校卒業等、扶養者の身元保証、入国時18歳未満、就職先決定、公的義務履行などを確認する。高校編入者は所定の日本語能力証明も必要。
- 通常の就労ビザ:本人の学歴・実務経験・仕事内容など、その在留資格固有の要件を満たすか確認する。
- 申請時は、本人・扶養者・就職先が、入管庁の公表する基本資料を揃える。
- 特定活動等で就労後、所定の条件を満たして5年以上在留した場合は、定住者への変更対象となる場合がある。
どの在留資格が適切かは「生活基盤がある」「長く日本にいる」といった抽象的な事情だけで決めるのではなく、 まず公表要件への該当性を確認し、必要書類でその事実を示すことが重要です。 高校卒業時期・在留期限・就職開始時期が重なる場合は、就労開始前に余裕をもって準備してください。
現在の在留状況をお知らせください。「定住者」「特定活動」「就労ビザ」など、どの在留資格が適切かご案内します。
英語・中国語対応可能です。
メール相談はこちら 03-6905-6371
ACROSEEDのサポート体制
家族滞在で日本の高校を卒業した後に就職する場合は、
まず定住者・特定活動について入管庁が公表する対象要件に該当するかを確認することが重要です。
教育歴、入国時年齢、家族滞在での在留状況、就職先の決定、公的義務の履行などを整理し、
通常の就労系在留資格の要件も含めて適切な変更先を検討します。
当事務所では、申請前の段階から、 定住者と特定活動のどちらの公表要件に該当するか、必要書類でどこまで確認できるかを整理します。 高校編入歴がある場合の日本語能力、雇用条件、扶養者の身元保証なども確認し、 個別事情に応じて追加資料が必要な場合には、その内容を検討したうえで申請を進めます。
全国対応:メール・オンライン中心で進行管理。遠方の方も同じ品質でサポート。
多言語対応:英語・中国語でのご相談にも対応可能。
進捗が分かる:オンラインシステムで申請状況・必要資料が確認できる。
難しい案件にも対応:不許可後の再申請など、慎重審査になりやすい案件の実績多数。
料金が明確:追加料金が発生しにくい、分かりやすい料金体系。
不許可時もサポート:不許可の場合は無料再申請で許可取得まで徹底サポート。
情報管理:ISO27001に基づく運用で、個人情報を適切に管理。
ACROSEEDが選ばれる9つの理由(一覧)を見るACROSEEDの業務実績
お客様の声を見る
無料相談
定住者申請であわせてよく読まれるページ

定住者からの永住申請ガイド
定住者ビザから永住権(永住許可)を取得したい方向けガイド。滞在年数・収入基準・独立生計・納税・社会保険などの要件、不許可回避のポイントを行政書士が徹底解説。無料診断ツール付き。

在留資格「定住者」申請ガイド
在留資格「定住者」の制度概要、永住者との違い、主な4つの対象類型、必要書類、審査ポイントを専門家が体系的に解説します。

日本人との離婚後、定住者ビザを取得するには
離婚後の定住者ビザの要件(生計・日本定着性・実子養育など)と注意点。公式の許可/不許可事例と最新の在留審査期間も解説。

日本人の子を養育する定住者ビザ
日本人の子を養育する方の定住者ビザを専門家が解説。対象要件、必要書類、在留資格変更・更新の手続、審査で重視されるポイント、永住への流れまで分かりやすく案内します

未成年・未婚の実子を海外から呼び寄せる定住者ビザ
永住者・定住者・日本人の配偶者等などの扶養を受けて生活する未成年・未婚の実子を海外から呼び寄せる場合の定住者ビザ手続を専門家が詳しく解説します。

日系人の定住者ビザ完全ガイド
日系2世・3世・4世が日本で在留するための定住者ビザ(在留資格「定住者」)の条件・手続き・必要書類を行政書士が解説。
もっと詳しい定住者ビザ申請の制度の解説はこちら
定住者と永住者の違いとは?特徴・要件・更新の有無を行政書士が解説
外国人の子を養子にしたときのビザ|日本人の子として在留資格が認められる条件
離婚後に「日本人の子」でビザは取れる?親権変更と在留資格の正しいポイント
18歳以上の外国籍の子どもを日本へ呼び寄せられるか|定住者ビザの可否と現実的な在留資格
家族滞在の高校卒業後の就職でビザ変更|定住者・特定活動への変更と手続き
定住者ビザが不許可になる理由は?不許可事例と再申請のポイント【2026年版】
定住者ビザの更新|必要書類・審査ポイント・不許可事例【2026年版】
定住者ビザは無職・低収入でも申請できる?生計要件と必要書類【2026年版】
短期滞在から定住者ビザに変更できる?日本国内での変更と例外【2026年版】

行政書士法人ACROSEED
代表社員 佐野 誠
日本行政書士会連合会(登録番号第01080685号)
東京都行政書士会(会員番号第4568号)
1986年 創業
親子2代で外国人法務に特化し40年を迎えます。
2001年 行政書士登録
国際行政書士として20年以上のキャリアを誇ります。
2023年 東京都行政書士会国際部員に就任
東京都行政書士会に所属する行政書士の育成と発展に貢献しています。
【実績】
ACROSEEDの法務サービスは上場・グローバル企業をはじめ、1000社以上の企業様に選ばれています。また、外国人雇用に関連したセミナー講師、著書、原稿執筆などの実績が多数あります。
1986年の開業以来、日本入国や不法滞在でお悩みの方に出入国在留管理庁での各種手続きを40年近くサポートしています。
電話相談、メール相談、オンライン相談、ご来社での相談が可能です。
また、英語・中国語対応も可能です。