離婚後に「日本人の子」でビザは取れる?親権変更と在留資格の正しいポイント
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「子どもからビザをもらう」という相談は外国人の方から非常によく寄せられますが、正確には「日本人の実子の母として日本に滞在を続けられるか」という趣旨になります。
法律上、未成年の日本人の実子を監護し、実際に養育している場合には、在留資格「日本人の配偶者等(日本人の子の親)」としての在留が認められる可能性があります。しかし、そのためには単に「親権を変更すればよい」という単純な話ではなく、監護の実態が極めて重視されます。
まず大前提として、現在お子さんの親権が日本人の父親にある場合、その親権を離婚後にあなたへ変更することは容易ではありません。
日本では、離婚後の親権変更は家庭裁判所での審判が必要であり、単なる合意や書類上の変更では認められません。家庭裁判所が親権を変更するのは、子の福祉に強く関わる事情、たとえば虐待、著しい監護の放棄、環境の重大な悪化などが認められる場合に限られます。
つまり、「親権を移せばビザが取れる」という発想は、手続面からも実務面からも現実的ではありません。裁判所が親権の変更を認める条件は厳しく、形式的に親権を移しても、実際にあなたが子どもを監護・扶養していなければ、入管は在留資格を認めません。入管は親権の有無よりも、監護の実態を重視します。
たとえば、あなたが日本人の実子と同居し、生活費を負担し、学校・医療・日常生活全般を母親として担っているという実情があれば、「日本人の子の親」として在留資格が検討される余地があります。しかし、お子さんが元夫側で生活している、同居していない、あなたが監護を実質的に行っていないという状況では、親権を変更したとしても在留資格は認められません。
一方で、離婚後の在留についてはもう一つ重要な選択肢があります。それは、一定期間以上の実質的な婚姻生活があった場合に認められる「定住者」ビザ(離婚定住)です。これは、日本人配偶者と離婚しても、真摯な婚姻であったこと、一定期間の同居や生計維持があったこと、離婚の経緯がやむを得ないものであることなどを総合的に評価したうえで付与される在留資格です。
この「定住者」ビザは、お子さんの有無とは関係なく、結婚生活の実態を基準に審査されます。したがって、必ずしも「子どもを理由にビザを取る」という考え方にこだわる必要はありません。離婚後も誠実に生活し、日本での生計が成り立つことを示せれば、この定住者ビザで在留を継続できる可能性があります。
もしあなたが今後、お子さんとの関係を継続したいと考えている場合でも、まずはお子さんの生活環境や福祉を最優先に考える必要があります。監護や面会交流が安定している場合などは、その実態が在留資格審査でプラスに働くこともあります。しかし、子どもと同居していない状況で「親権だけを変更してビザを得る」という方法は現実的ではなく、法的にも適切ではありません。
結論として、現在の状況では「親権を変更すればビザが取れる」という考え方は成り立ちません。まず検討すべきは、離婚後の生活実態にもとづく「定住者」ビザです。そして、もし将来的にあなたが実際に子どもを監護・扶養する状況になった場合には、その時点で「日本人の子の親」としての在留資格が検討されることになります。
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