在留資格の更新・変更手数料はどう変わる?永住許可は上限30万円へ|2025改定と2026閣議決定を解説
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【最新情報 2026.3.11】
2026年3月10日、政府は、在留資格の変更・更新手数料の法定上限を10万円に、永住許可申請手数料の法定上限を30万円に引き上げる入管法改正案を閣議決定したと報じられました。
もっとも、現時点で直ちに更新10万円・永住30万円が適用されるわけではありません。 実際の金額は、今後の法改正成立後に政令で定められる見込みです。
本ページでは、2025年4月1日からの実際の手数料改定、2026年1月の政府方針、2026年3月の閣議決定を踏まえ、企業・外国人本人が今後どのように備えるべきかを専門家の視点から整理します。
1.在留資格手数料改定の流れ(2025年改定・2026年方針・2026年閣議決定)
まずは、手数料の見直しについて、すでに施行された内容と、今後予定されている制度改正の流れを分けて理解することが重要です。
2025年4月1日からの改定(すでに施行済み)
- 在留資格の変更許可申請手数料:4,000円 → 6,000円
- 在留期間更新許可申請手数料:4,000円 → 6,000円
- 永住許可申請手数料:8,000円 → 10,000円
この改定はすでに施行されており、2025年4月1日以降に受け付けられた申請から新しい金額が適用されています。
2026年1月の政府方針
2026年1月に公表された政府の「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」では、受益者負担の観点から、令和8年度中に在留許可手数料を見直して引き上げる方針が示されました。
あわせて、JESTA(電子渡航認証制度)の導入や、外国人に関わる施策・出入国在留管理体制の強化・拡充も掲げられており、手数料の見直しは単独の施策ではなく、外国人政策全体の再設計の一部として位置付けられています。
2026年3月10日の閣議決定
さらに2026年3月10日には、政府が入管法改正案を閣議決定し、在留資格の変更・更新手数料の法定上限を10万円に、永住許可申請手数料の法定上限を30万円に引き上げる方向が正式に示されました。
ただし、ここで注意すべきなのは、閣議決定されたのはあくまで法定上限の見直しであり、現時点で実際の納付額がそのまま10万円・30万円になると確定したわけではない点です。報道上も、具体的な手数料額は今後、政令で定めるとされています。
- 現在の実際の手数料:更新・変更6,000円、永住10,000円
- 2026年3月閣議決定で示された法定上限:更新・変更10万円、永住30万円
- 今後の焦点:法案成立の有無、施行時期、実際の政令上の金額
そのため、実務上は「もう30万円になる」と断定するのではなく、今後の改正で手数料負担が大きくなる可能性が高まっているという前提で準備を進めるのが適切です。
※本ページでは、2025年4月1日に施行された現行手数料、2026年1月の政府方針、2026年3月10日の閣議決定に基づいて整理しています。今後の国会審議・法改正・政令により、具体的な金額・施行時期は変更される可能性があります。
2.雇用企業への影響
(1) コスト増と人件費計画へのインパクト
外国人を雇用する企業にとって、在留資格の変更・更新手数料の将来的な引上げは、直接的なコスト増につながります。
現時点では実際の変更・更新手数料は6,000円ですが、法定上限が10万円まで引き上げられる方向が示された以上、今後の政令次第では企業負担の水準が大きく変わる可能性があります。
例えば、外国人社員の更新費用を会社が負担している企業では、対象社員数が増えるほど、更新費用は無視できない人件費項目になっていきます。
- 外国人社員の在留期限を一覧化していない
- 更新件数の年間見込みを把握していない
- 費用負担ルールが部門ごとに曖昧
このような状態のままでは、制度変更があった際に対応が後手に回りやすくなります。今のうちから、在留資格管理を労務・採用・人件費設計の一部として見直す必要があります。
(2) 5年在留確保の重要性とカテゴリー区分
更新費用が重くなるほど、企業側にとって重要になるのは更新回数そのものを減らすことです。そのためには、可能な限り5年の在留期間を取得しやすい体制を整えることが有効です。
一般に、カテゴリー1・2の企業は、カテゴリー3・4の企業に比べて長期の在留期間が認められやすい傾向があります。
- カテゴリー1・2:上場企業、一定の認定取得企業等
- カテゴリー3・4:中小企業、設立間もない企業、個人事業主等
中小企業でも、えるぼし認定、くるみん認定、ユースエール認定などにより、カテゴリー1に該当する可能性があります。これらは採用広報や労務体制の整備にも資するため、在留管理コスト対策としても検討の価値があります。
(3) 優秀な外国人ほど重視する「手続きの質」
手数料が高額化する可能性が高まるほど、外国人社員にとって更新・変更手続は「失敗が許されない手続」になります。
- 会社が費用負担をしてくれるか
- 社内の申請管理体制は整っているか
- 専門家に相談できる体制があるか
これらは今後、福利厚生や定着支援の一部として評価されやすくなります。採用競争力の観点からも、在留手続支援の質は重要性を増すでしょう。
3.外国人本人・家族への影響
(1) 家計に与える負担とライフプランへの影響
変更・更新手数料の上限見直しは、外国人本人だけでなく、家族帯同で日本に在留する世帯にも大きな影響を及ぼします。
現時点では手数料の具体額は確定していませんが、今後の見直しによって一人あたりの負担が大きくなれば、家族全員分の更新コストは家計にとって無視しにくい額になります。
また、永住許可申請については、2025年4月以降の現行手数料は1万円ですが、法定上限の引上げ案では30万円までの設定が可能になる方向です。永住を検討している方にとっては、「いつ申請できる状態に持っていくか」という判断がこれまで以上に重要になります。
(2) 適法な滞在管理の重要性の高まり
手数料の負担が重くなるほど、一つ一つの申請の失敗コストも大きくなります。そのため、外国人本人・家族にとっては、これまで以上に確実な在留管理が重要です。
- 年金・健康保険・住民税の適正な納付
- 転職・転居・婚姻・離婚などの届出の徹底
- 在留資格に合った活動内容の維持
- 更新期限より十分前からの準備
今後は、「とりあえず出してみる」という感覚よりも、不許可や補正のリスクを減らすために、事前に整理してから申請するという姿勢がいっそう求められると考えられます。
4.今回の見直しが示す政策的背景
今回の手数料見直しは、単に「申請費用が高くなる」という話にとどまりません。
政府の対応策では、在留手続の見直しとあわせて、外国人政策全体の体制強化、JESTA導入、審査・管理の高度化、共生施策の強化などが掲げられています。
- 出入国在留管理体制の強化・高度化
- 外国人向け支援施策の拡充
- 電子化・オンライン化による利便性向上
- 不法滞在・不法就労対策の強化
つまり、手数料の見直しは、外国人政策全体の再構築の中で進められている制度変更の一部と考えるべきです。
5.今からできる実務的な対策
今後、変更・更新・永住に関する費用負担が大きくなる可能性が高まっている以上、企業・外国人双方ともに「更新回数を減らす」「不許可リスクを避ける」「長期安定在留を目指す」という視点で準備を進めることが重要です。
(1) 企業側の対応ポイント
- 外国人社員の在留期限・更新頻度の一覧化
まずは、誰がいつ更新時期を迎えるのかを可視化することが必要です。 - 費用負担ルールの整備
更新費用・変更費用・永住支援を会社がどこまで負担するのか、社内基準を明確にしておくことが重要です。 - 5年在留を意識した雇用・労務体制の整備
カテゴリー区分や認定制度の取得も含め、長期在留を得やすい環境づくりを検討します。 - 専門家との連携強化
制度変更期は、個別案件の難易度判断や社内フロー整備のためにも、行政書士等の専門家との連携が有効です。
(2) 外国人本人・家族の対応ポイント
- 税金・年金・健康保険の納付状況を確認する
永住申請・更新申請いずれでも重要な確認項目です。 - 届出義務を軽視しない
転職、転居、婚姻、離婚などの変更は、期限内に適切に届出を行う必要があります。 - 在留資格に合った活動を続ける
許可された活動内容から外れた働き方は、審査上の不利益につながることがあります。 - 永住申請のタイミングを早めに検討する
永住を目指せる状況に近い方は、将来の制度変更も見据えて早めに準備を進めることが有効です。
6.在留資格手数料改定に関するQ&A
いいえ。2026年3月の閣議決定は、永住許可申請手数料の法定上限を1万円から30万円へ、在留資格の変更・更新手数料の法定上限を10万円へ引き上げる入管法改正案に関するものです。実際の金額は今後の法改正成立後、政令で定められる見込みです。
2025年4月1日以降、窓口申請の在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請の手数料は6,000円、永住許可申請は10,000円です。
まず、外国人社員の在留期限と更新頻度を一覧化し、将来の費用増を見込んだ予算設計を行うことが重要です。そのうえで、5年在留を取りやすい体制整備、社内の申請管理フローの見直し、専門家との連携強化を進めるとよいでしょう。
税金・年金・健康保険の納付状況、転職や転居等の届出、在留資格に合った活動内容を早めに確認することが重要です。更新や永住申請の際に不利にならないよう、余裕を持って準備を進めることをおすすめします。
7.まとめ|今後の制度変更にどう備えるか
2025年4月1日には、在留資格の変更・更新手数料は6,000円、永住許可申請手数料は1万円へとすでに改定されました。
そのうえで、2026年1月には政府方針として令和8年度中の見直しが示され、2026年3月10日には、変更・更新手数料の法定上限を10万円、永住許可申請手数料の法定上限を30万円へ引き上げる入管法改正案が閣議決定されています。
現時点では、実際の納付額や施行時期はまだ確定していません。 しかし、手数料負担が今後重くなる可能性が高まっていることは確かであり、企業・外国人本人の双方にとって、早めの準備が重要です。
企業にとっては、在留手続を人件費・福利厚生・採用戦略の一部として見直すこと、外国人本人にとっては、納税・届出・在留管理を適切に行い、更新や永住申請の準備を早めに進めることが、今後ますます重要になるでしょう。
現在の在留資格、在留年数、更新時期、税金・年金の状況をもとに、今後の制度変更を見据えた準備を専門家がサポートします。
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出典・参考(一次情報中心)
- 出入国在留管理庁「在留手続等に関する手数料の改定」
- 出入国在留管理庁「永住許可申請」
- 首相官邸「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」
- FNNプライムオンライン「外国人の永住許可申請手数料上限額を1万円から30万円に引き上げへ 入管法改正案を閣議決定」
※本ページは、公表資料・報道情報をもとに、行政書士法人ACROSEEDが実務的観点で整理・解説したものです。
※今後の国会審議、法改正、政令、運用変更により、実際の金額・施行時期は変更される可能性があります。申請前には最新の公的情報をご確認ください。

行政書士法人ACROSEED
代表社員 佐野 誠
日本行政書士会連合会(登録番号第01080685号)
東京都行政書士会(会員番号第4568号)
1986年 創業
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2001年 行政書士登録
国際行政書士として23年のキャリアを誇ります。
2023年 東京都行政書士会国際部員に就任
東京都行政書士会に所属する行政書士の育成と発展に貢献しています。
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ACROSEEDの法務サービスは上場・グローバル企業をはじめ、1000社以上の企業様に選ばれています。また、外国人雇用に関連したセミナー講師、著書、原稿執筆などの実績が多数あります。

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