永住申請は10年未満でも申請できる?要件と注意点を行政書士が解説【2026年版】
最終更新日:| 監修:行政書士 佐野 誠(2001年登録)
結論からいうと、永住申請は日本での在留が10年未満でも申請できる場合があります。永住許可は「引き続き10年以上本邦に在留していること」が原則ですが、日本人・永住者・特別永住者の配偶者、定住者、高度人材などには在留期間の特例が設けられています。
たとえば、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ日本に引き続き1年以上在留している日本人・永住者・特別永住者の配偶者や、高度人材ポイント70点以上を3年以上、80点以上を1年以上満たすことが認められる方などは、原則の10年を待たずに永住申請の対象となり得ます。
このページでは、出入国在留管理庁の「永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)」を基に、10年未満で申請できるケース、継続在留・海外出国の注意点、高度人材、2027年4月からの変更、申請費用・審査期間を行政書士がわかりやすく解説します。
1. 永住申請が10年未満の滞在年数で可能なケース
まず、永住申請の条件は素行の善良性や経済的安定などいろいろありますが、ここでは滞在年数の要件について解説していきます。
永住申請の全体的な条件については以下のページで解説してますのでご参照ください。

永住権の要件を完全解説【2026年版】
永住申請で特に確認されるポイントを最新のガイドラインに基づき、わかりやすく解説します。
永住権取得の要件は出入国在留管理庁が公表している「永住許可のガイドライン」に詳細が記載されていますが、ここではわかりやすくまとめたものを記載します。
- 日本人・永住者・特別永住者の配偶者→実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、日本に引き続き1年以上在留
- 日本人・永住者・特別永住者の実子等→日本に引き続き1年以上在留
- 定住者→「定住者」の在留資格で5年以上継続して在留
- 難民認定・補完的保護対象者の認定を受けた方→認定後5年以上継続して在留
- 高度人材ポイント70点以上→3年以上継続して要件を満たす場合
- 高度人材ポイント80点以上→1年以上継続して要件を満たす場合
- 特別高度人材(J-Skip)→一定の場合に1年以上継続して在留
- 上記以外の方→原則10年以上継続して在留し、そのうち就労資格(技能実習・特定技能1号を除く)又は居住資格で引き続き5年以上在留
このほか、外交・社会・経済・文化等の分野で我が国への貢献があると認められる方については、5年以上の在留で特例の対象となる場合があります。
ここで注目すべきなのは、高度専門職のポイントが70点以上もしくは80点以上ある方というのは、現在高度専門職の在留資格をお持ちの方だけでなく、他の就労系在留資格の方もポイント要件を満たせば該当する点です。
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2.高度人材ポイントを利用して永住申請するケース
たとえば、「技術・人文知識・国際業務」などの就労資格から原則ルートで永住を目指す場合、原則として日本に引き続き10年以上在留し、そのうち就労資格又は居住資格で引き続き5年以上在留していることが必要です。
高度人材ポイント80点以上→1年以上継続して要件を満たす場合
特別高度人材(J-Skip)→一定の場合に1年以上の継続在留で特例の対象
高度人材の要件を満たしている方は、原則の10年を待たずに3年または1年で永住申請の対象となる場合があります。ただし、申請時点のポイントだけではなく、3年前または1年前の時点でも所定のポイントを有し、その後継続して基準を満たしていたことを資料で確認できることが重要です。
2027年4月から「最長の在留期間」の取扱いが変わります
永住許可のガイドラインでは、原則として現在の在留資格について「最長の在留期間」をもって在留していることが求められます。2026年現在は経過措置により、2027年3月31日までは在留期間「3年」を有する場合も「最長の在留期間」として取り扱われます。
しかし、2027年4月1日からはこの取扱いが改められ、原則として各在留資格で定められた実際の最長在留期間を有していることが必要になります。なお、2027年3月31日時点で在留期間「3年」を有する方については、その在留期間内に永住許可の処分を受ける場合、初回に限り経過措置があります。詳しくは出入国在留管理庁の永住許可(入管法第22条)をご確認ください。
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3.継続して在留の注意点
永住申請では、単に滞在年数が長いだけでなく、「継続して在留していること」が重要な審査項目となります。ここでいう「継続」とは、ビザの有効期間が切れずに日本で生活を続けているだけでなく、実際の生活の拠点(生活基盤)が日本にあることを意味します。
この「継続して在留」は、入管庁が公表する永住許可ガイドラインの中でも特に重視される要素です。以下の2つの観点から確認しておきましょう。
1.在留資格が途切れることなく日本に在留していること
永住許可では「引き続き」在留していることが要件です。在留期間の更新をせず在留資格が失効した場合や、日本での在留が実質的に中断した場合には、それまでの在留歴をそのまま「継続在留」として評価できない可能性があります。個別の経緯によって判断が異なるため、「一度でも途切れれば必ず全期間がリセットされる」と一律に考えるのではなく、在留履歴を確認することが重要です。
永住申請を目指す方は、在留期限の管理、更新申請の時期、出入国の履歴を確認し、在留の継続性に疑義が生じないよう注意しましょう。
2.日本に生活基盤があること
在留資格が連続していても、実際の生活の拠点が日本にない場合は「継続して在留」とは認められません。
海外への出国が多い場合や、1回の海外滞在が長期に及ぶ場合は、日本での在留が「引き続き」行われているかが問題になることがあります。実務上「年間100日」「1回90日」などの数字が目安として語られることがありますが、出入国在留管理庁が永住許可ガイドラインで一律の許否基準として100日・90日を定めているわけではありません。
そのため、出国日数だけで機械的に判断するのではなく、出国の理由・期間・頻度、日本の住居や勤務先、家族の居住状況などを含めて、生活基盤が日本に継続しているかを個別に確認することが重要です。
海外勤務・出産・看護・留学・長期出張などの事情がある場合には、勤務先の在籍証明書、出張命令書、住民票、住居に関する資料など、出国理由と日本での生活基盤を説明できる資料を整理しておくとよいでしょう。
このように、永住申請における「継続して在留」とは、単なる滞在年数の問題ではなく、日本で生活し続けている実態を示す総合的な判断が行われます。更新のタイミング管理や海外滞在の計画にも十分注意してください。
4.原則の10年滞在の要件で永住申請する場合に10年未満のケース
永住申請の基本的な要件として、出入国在留管理庁が定めるガイドラインには「日本に10年以上継続して在留していること」と明記されています。これは、単に滞在年数の長さではなく、その期間を通じて安定した就労・納税・社会保険加入などが維持されていることを確認するための基準です。
「来日後7〜8年だが、海外転勤の前に永住申請したい」「住宅ローンのため早めに永住を取得したい」といった事情があっても、それだけで原則10年の在留要件が短縮されるわけではありません。
原則10年のルートで申請する方が10年に達していない場合は、日本人・永住者等の配偶者、定住者、高度人材など、ガイドライン上の特例に該当するかを先に確認することが重要です。
特に、以下のような点が審査で重視されます。
- 在留資格の変更や更新に問題がないこと(不許可・取下げ・短期在留の履歴がない)
- 継続的に社会保険・年金に加入し、納税義務を果たしていること
- 安定した収入があり、生活保護など公的扶助を受けていないこと
- 素行(交通違反・軽微な刑罰を含む)に問題がないこと
このように「10年」という数字は単なる目安ではなく、入管当局が日本社会への定着性や信頼性を判断する基準として位置づけています。したがって、10年未満の申請は「特別な貢献」「高度人材ポイントによる要件緩和」など明確な裏付けがない限り、認められにくいのが実務上の取扱いです。
永住申請を視野に入れている方は、10年を待つ間にも準備ができます。特に、住民税・年金・健康保険料などの公的義務を納期限内に適正に履行することが重要です。申請時に未納がなければよいというだけではなく、納期限を守って支払ってきたかも審査上確認されます。あわせて、収入・就労状況、在留履歴、家族状況などの資料も整理しておきましょう。
まとめると、原則の10年要件で永住申請する場合は、10年の継続在留要件を満たしたうえで申請することが基本です。まだ10年に達していない方は、高度人材ポイント、配偶者、定住者など別の特例に該当しないか確認してください。
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5.永住申請10年未満に関するQ&A
原則として、日本に引き続き10年以上在留していることが求められます。そのうち、就労資格(技能実習・特定技能1号を除く)又は居住資格で引き続き5年以上在留していることが必要です。ただし、日本人・永住者・特別永住者の配偶者、定住者、高度人材などには10年未満で申請できる特例があります。
主な特例は次のとおりです。
- 日本人・永住者・特別永住者の配偶者:実体を伴った婚姻生活3年以上+日本に引き続き1年以上在留
- 日本人・永住者・特別永住者の実子等:日本に引き続き1年以上在留
- 定住者:「定住者」の在留資格で5年以上継続して在留
- 高度人材ポイント70点以上:3年以上継続して70点以上を有していたことが認められる場合
- 高度人材ポイント80点以上:1年以上継続して80点以上を有していたことが認められる場合
- 特別高度人材(J-Skip):一定の場合に1年以上継続して在留
- 難民認定・補完的保護対象者の認定を受けた方:認定後5年以上継続して在留
このほか、我が国への貢献があると認められる方などにも特例があります。特例に該当しても、永住許可のその他の要件を満たしているかは別途審査されます。
単に在留資格を持ち続けているだけではなく、日本での在留が実質的に継続していることが重要です。長期・頻繁な出国がある場合は、出国理由、期間、日本の住居・勤務先・家族状況などを含めて個別に判断されます。なお、「年間100日」「1回90日」は出入国在留管理庁が公表する一律の許否基準ではありません。
再申請までの一律の待機期間は定められていません。まず、不許可となった原因を確認し、その原因を解消または説明できる状態にしてから再申請を検討することが重要です。不許可理由については、申請を行った地方出入国在留管理官署で確認できる場合があります。
10年未満で申請する場合は、まずどの特例に該当するのかを示す資料が重要です。必要書類は現在の在留資格や申請ルートによって異なります。
- 配偶者・実子等の特例:婚姻関係、親子関係、家族構成などを示す公的書類
- 高度人材の特例:申請時および3年前・1年前のポイント計算と、その根拠となる学歴・職歴・年収・資格等の資料
- 定住者等の特例:在留資格と継続在留期間を確認できる資料
- 共通資料:収入、住民税、年金、健康保険、在留履歴などを確認する資料
出入国在留管理庁の申請案内では、現在の在留資格ごとに必要書類が案内されています。提出書類は個別事情によって追加を求められることがあります。
2027年3月31日までは、在留期間「3年」を有する場合も「最長の在留期間」として取り扱われます。しかし、2027年4月1日からは取扱いが変わり、原則として各在留資格の実際の最長在留期間を有していることが必要です。2027年3月31日時点で「3年」を有する方には、一定の経過措置があります。
※2026年8月17日現在、永住許可の手数料は許可時10,000円です。 出入国在留管理庁は、2026年10月1日から200,000円とする政令案を公表していますが、 現時点では案の段階です。最新情報は出入国在留管理庁をご確認ください。 出入国在留管理庁が示す標準処理期間は4か月~6か月ですが、実際の審査期間は申請内容や時期によって異なる場合があります。申請先・必要書類等は出入国在留管理庁「永住許可申請」で確認できます。
2026年現在、永住許可申請は在留申請オンラインシステムの対象外です。原則として、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署に申請します。
永住許可申請をしていても、現在の在留期間は自動的には延長されません。審査中に在留期限が来る場合は、現在の在留資格について別途、在留期間更新許可申請を行う必要があります。
2027年4月から永住許可制度の一部が変わる予定です
2024年に公布された改正入管法のうち、永住許可制度の適正化に関する規定は2027年4月1日に施行予定です。故意に公租公課を支払わない場合など、新たな在留資格取消事由が設けられます。
ただし、税金や社会保険料に未納があれば直ちに永住者の在留資格が取り消されるわけではありません。出入国在留管理庁は、未納額・期間・経緯、督促への対応、病気や失業などの事情も踏まえて個別に判断すると説明しています。
6.永住ビザ許可取得事例
このセクションでは、日本人配偶者ビザ・定住者ビザ・就労ビザなど さまざまな在留資格から永住ビザを取得した実際の許可事例をご紹介します。
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VOL.112 R様(中国) |
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お客様(Googleレビューより) |
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VOL.80 Z様(中国) |
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7.永住申請10年未満のケースまとめ
永住申請は原則10年以上の継続在留が必要ですが、10年未満でも申請できる特例があります。日本人・永住者・特別永住者の配偶者や実子等、定住者、高度人材、特別高度人材(J-Skip)、難民認定・補完的保護対象者の認定を受けた方などは、それぞれ定められた在留期間を満たすことで特例の対象となり得ます。
一方、一般的な就労資格から原則ルートで永住を目指す場合は、原則として引き続き10年以上の在留と、そのうち就労資格又は居住資格で引き続き5年以上の在留が必要です。10年未満の方は、まず自分がどの特例に該当するかを確認してください。
10年到達を待つ場合も、次の点を継続して整えておくことが重要です。
- 住民税・年金・健康保険料などの公的義務を納期限内に履行する
- 将来にわたり安定した生活が見込まれる収入・資産・就労状況を整える
- 出入国履歴を確認し、日本での生活基盤が継続していることを説明できるようにする
- 在留期間の更新を適切に行い、在留資格に応じた活動を継続する
なお、永住許可ガイドラインの「最長の在留期間」の取扱いは2027年4月1日から変更されます。2026年中に申請を検討している方でも、審査時期や現在の在留期間によって影響を受ける可能性があるため、経過措置も含めて確認してください。
永住申請は、在留年数だけでなく、素行、公的義務の履行、生活の安定性などを総合的に審査されます。「10年未満だから申請できない」「特例の年数を満たしたから必ず許可される」と一律に判断することはできません。ご自身の在留歴や申請ルートを整理したうえで準備することが重要です。
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