家族滞在ビザで海外企業のリモートワークはできる?在留資格と就労ルールを徹底解説
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新型コロナ以降、世界的にリモートワークが一般化し、「海外企業の仕事をオンラインで受けて、日本から働く」という相談も増えています。しかし、在留資格が「家族滞在」である場合、このような働き方には注意が必要です。
結論からお伝えすると、家族滞在ビザだけで、日本国内から海外企業の仕事をリモートワークで行うことは原則認められません。
1.在留資格は「日本での活動内容」で判断される
日本の在留資格は、どの在留資格で日本に滞在しているかによって「日本国内で許される活動内容」が決まる仕組みになっています。
つまり、
- どこの国の会社と契約しているか(日本企業か、海外企業か)
- 給与がどこの通貨で支払われるか
- 報酬がどこの銀行口座に振り込まれるか
といった点ではなく、「日本国内で報酬を得る仕事をしているかどうか」がポイントになります。
家族滞在ビザは、あくまで扶養者(配偶者など)の収入によって生活している家族のための在留資格であり、フルタイムで就労するための在留資格ではありません。
2.家族滞在で許される就労は「資格外活動許可」の範囲のみ
家族滞在ビザを持つ方が報酬を得る活動をしたい場合、原則として「資格外活動許可」を取得し、その範囲内でパート・アルバイトを行うことが認められています。
典型的には、
- 週28時間以内のアルバイト
- 風俗営業やそれに類する一部の業種を除いた一般的な就労
が想定されています。
ただし、この資格外活動許可は本来、日本国内の店舗・会社等で行うパート・アルバイトを想定したもので、海外企業との完全な業務委託契約による「フリーランス的な働き方」や、実態がフルタイムに近い就労については、在留資格との整合性が問題とされる可能性があります。
3.「海外企業だから大丈夫」は誤解です
よくある誤解として、
- 「会社は海外にあるから、日本の就労ビザは関係ない」
- 「日本の企業ではないので、日本で働いているとはみなされない」
という考え方がありますが、これは正しくありません。
日本の入管は、「日本国内で報酬を得る活動をしているかどうか」を基準に判断します。そのため、
- 仕事はすべてオンライン
- 雇用主は海外の会社
- 報酬は海外口座に振り込まれる
といった条件を満たしていたとしても、実際に日本に居住しながら継続的に仕事をしているのであれば、「日本国内での就労」とみなされるリスクがあります。
4.在留資格取消し・更新不許可のリスク
家族滞在の在留資格で、資格外活動許可もなく継続的にリモートワークを行っていた場合、
- 在留資格に応じた活動を行っていない
- 資格外活動に該当する就労をしている
と判断されると、
- 在留資格の更新が不許可になる
- 場合によっては在留資格の取消しの対象となる
といった重大な結果を招くおそれがあります。
特に近年は、入管庁による在留管理が厳格化しており、SNSや銀行口座の動き、税務情報などから就労実態が把握されるケースも増えています。「見つからなければ大丈夫」という考え方は非常に危険です。
5.どうしても働きたい場合に検討すべき選択肢
家族滞在ビザで生活している方が、より安定的に働きたい場合には、次のような選択肢を検討することになります。
- スキルや学歴、職務内容に応じて、就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)への在留資格変更を検討する
- パート・アルバイト程度の就労にとどめるのであれば、資格外活動許可を取得したうえで、日本国内の適法な雇用先で働く
どの在留資格が取り得るかは、最終学歴・職歴・仕事内容・雇用契約の内容などによって大きく変わります。
6.日本人や他国でのケースとの比較
なお、逆の立場として、日本人や日本在住の外国人が、海外に渡航してその国から日本の会社にリモートワークする場合にも、渡航先の国・地域で定められているビザや就労許可が必要になります。
つまり、
「どこの国の会社か」ではなく、「どこの国の領域内で働いているか」
が国際的にも基本的な考え方になっていると言えます。
7.まとめ:自己判断は危険、事前相談を
まとめると、
- 家族滞在ビザで日本に滞在しながら、海外企業の仕事をリモートワークで継続的に行うことは、原則としてリスクが高い
- 在留資格は「日本国内で許される活動内容」によって決まるため、会社が海外かどうかは本質的な問題ではない
- 資格外活動許可がない就労はもちろん、資格外活動許可の範囲を大きく超える就労も、在留資格の更新不許可・取消しの原因となり得る
リモートワークは一見目立たず、自己判断で始めてしまいがちですが、在留資格との整合性を誤ると、ご本人だけでなく扶養者にも影響が及ぶ可能性があります。
「家族滞在のままリモートワークをしてもよいのか」「就労ビザへの変更が必要なのか」などでお悩みの場合は、実際の契約内容や勤務実態を踏まえて個別に判断する必要があります。自己判断せず、必ず専門家にご相談ください。
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家族滞在で日本に滞在しています。日本国外の企業との契約に基づいてリモートワークしても大丈夫でしょうか。

行政書士法人ACROSEED
代表社員 佐野 誠
日本行政書士会連合会(登録番号第01080685号)
東京都行政書士会(会員番号第4568号)
1986年 創業
親子2代で外国人法務に特化し39年目を迎えます。
2001年 行政書士登録
国際行政書士として23年のキャリアを誇ります。
2023年 東京都行政書士会国際部員に就任
東京都行政書士会に所属する行政書士の育成と発展に貢献しています。
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