元日本国籍だった方が日本に帰国する場合の在留資格
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海外で長く暮らしていた「元日本人」の方からは、「日本に戻るときに特別なビザはありますか?」、「元日本人として優遇措置はあるのでしょうか?」というご相談を多くいただきます。
実際には、日本国籍を喪失または離脱した時点で、法的には外国籍の方として扱われることになります。そのため、帰国して日本で生活を始める場合には、他の外国籍の方と同様に、目的に合った在留資格(ビザ)を新たに取得しなければなりません。
たとえば、日本人の配偶者・子としての関係を基に申請する場合は「日本人の配偶者等」、日系人として日本で生活する場合は「定住者」など、状況に応じて申請できる在留資格が異なります。
このように「元日本人であること」自体による特別な優遇はなく、現在の国籍・家族関係・滞在目的に応じた正規の申請手続が必要です。
以下では、元日本人の方が日本に帰国・在留する際に取得できる主な在留資格や、国籍喪失・離脱の手続きに関する注意点を詳しく解説します。
手続を誤ると不法在留や申請不許可のリスクにつながる場合もあるため、正式な届出・戸籍確認・資料準備を正しく行うことが大切です。
行政書士法人ACROSEEDでは、元日本人の方の在留資格取得に関するご相談を数多く取り扱っております。
ご自身のケースがどの在留資格に当たるのか分からない場合は、無料相談フォームよりお気軽にご相談ください。
1.元日本人が取得できる在留資格とは?
元日本人の方の場合、日本人の配偶者等という在留資格を取得することになります。
配偶者等という言葉から日本人と結婚した方が取得する在留資格と思われがちですが、この在留資格には日本人の子として出生した方も該当します。
「子として出生した者」とは、実子をさしますが、嫡出子のほか、認知された嫡出子も含まれます。ただし、その外国人が出生したとき、父または母のいずれか一方が日本国籍を有していたとき、または、本人の出生前に父が死亡し、かつ、その父の死亡のときに日本国籍を有していた場合でなければなりません。しかし、本人の出生後父または母が日本の国籍を離脱した場合には特に支障はありません。
また、「日本人の子として出生した者」は、「日本で出生したこと」は要件とされていませんので、外国で出生した方も含まれます。
元日本人が取り得る在留資格の早見表
| ケース | 主な該当性 | 想定される在留資格 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 日本人と婚姻している | 日本人の配偶者 | 日本人の配偶者等 | 就労制限なし。戸籍・婚姻実体の立証が重要。 |
| 「日本人の子として出生」している | 実子/特別養子等 | 日本人の配偶者等 | 海外出生も含む。出生時の親の日本国籍等を立証。 |
| 上記に当たらず、日系の血縁等を根拠に滞在 | 個別事情(扶養・生計・日本での生活実態など) | (事案により)定住者等 | 個別審査。要件・資料はケースバイケース。 |
2.元日本人が日本人配偶者等ビザを申請する際の注意点
では、入管で在留資格「日本人配偶者等」を申請するにあたってどんな注意が必要でしょうか?
まず入管が提出を要求している書類についてみてみましょう。
在留資格「日本人の配偶者等」(外国人(申請人)の方が日本人の実子・特別養子である場合)入国管理局WEBサイト
1.在留資格認定証明書交付申請書 1通
2.写真
3.申請人の親の戸籍謄本又は除籍謄本(全部事項証明書) 1通
4.日本で出生した場合は次のいずれかの文書 1通
(1) 出生届受理証明書
(2) 認知届受理証明書
5.海外で出生した場合は次のいずれかの文書 1通
(1) 出生国の機関から発行された出生証明書
(2) 出生国の機関から発行された申請人の認知に係る証明書(認知に係る証明書がある方のみ)
(1) 申請人の滞在費用を支弁する方(複数の方が扶養する場合は収入の多い方)の直近1年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 各1通
※ 1月1日現在お住まいの市区町村の区役所・市役所・役場から発行されます。※ 1年間の総所得及び納税状況(税金を納めているかどうか)の両方が記載されている証明書であれば、いずれか一方でかまいません。
(2) その他
※ 入国後間もない場合や転居等により、(1)の資料で滞在費用を証明できない場合は、以下の資料などを提出して下さい。
a 預貯金通帳の写し 適宜
※ Web通帳の画面の写し等(取引履歴が分かるもの)であっても差し支えありません。ただし、加工等できない状態で印刷されたものに限ります(Excelファイル等は不可)。
b 雇用予定証明書又は採用内定通知書(日本の会社発行のもの) 適宜
c 上記に準ずるもの 適宜
7.返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上、必要な額の郵便切手(簡易書留用)を貼付したもの) 1通
8.配偶者(日本人)の身元保証書 1通
上記は入国管理局の在留資格「日本人配偶者等」の認定証明書交付申請で必要な書類ですが、この中で3の戸籍(除籍)謄本の提出がもとめられています。
日本人配偶者等の在留資格を取得するには、この戸籍(除籍)謄本に国籍離脱の記載があること、が必要になります。
第十一条 日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。
2 外国の国籍を有する日本国民は、その外国の法令によりその国の国籍を選択したときは、日本の国籍を失う。
出典:国籍法(法務省)
上記の国籍法にもあるように、本来は外国国籍を取得した時点で法的に日本国籍は喪失しているのですが、この時に国籍離脱の届け出を行っていないと日本の役所ではあなたが日本国籍を喪失したことを把握できておらず、戸籍謄本をとってみたら日本国籍のままとなっていたというケースが多いのです。
では、そのまま日本国籍で入国すればよいのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは明らかに不法行為であり、入管で不正が明らかになった場合には不法入国者として退去強制に該当してしまいます。
なお、退去強制で国外に出国させられた場合には、上陸拒否期間が5年または10年となり日本への入国が長期間できなくなりますので注意が必要です。
したがって国籍離脱の届け出をしてから在留資格の申請を行わないといけません。
3.元日本人の方の国籍離脱・喪失の正式手続と戸籍確認の流れ
日本国籍を喪失または離脱した「元日本人」の方が日本に戻るための在留資格申請を行う際には、国籍に関する届出と戸籍(除籍)上の記載内容が非常に重要になります。
戸籍に「国籍喪失」または「国籍離脱」の記載がない場合、入管審査で「国籍の整合性が確認できない」と判断され、申請が保留または不許可となるケースもあります。
ここでは、国籍離脱の届出方法・届出先・必要書類の注意点を中心に、手続の流れをわかりやすく解説します。
1.届出方法(誰が、どのように行うか)
国籍離脱届は、本人が自ら届出先に出向いて行うことが原則です。15歳未満の方の場合は、父母などの法定代理人が代わって届出を行います。
届出の際には、国籍離脱の要件を満たしていることを証明する書類を添付し、書面で届け出る必要があります。口頭やメール等による届出は認められません。
添付書類としては、通常、次のようなものが求められます。
- 外国籍を取得したことを証する書類(例:外国の帰化証明書・パスポートコピーなど)
- 日本の戸籍謄本または除籍謄本
- 本人確認書類(旅券・マイナンバーカード等)
- 必要に応じた翻訳文・認証文書(外国語書類の場合)
提出方法や書式は届出先によって異なることがありますので、事前に届出予定の法務局または日本大使館・領事館へ相談するのが確実です。
書類に不備がある場合、受理されず再提出を求められることもあります。
2.届出先(国内と国外で異なる)
(1) 日本に住所を有する方
住所地を管轄する法務局または地方法務局に届出を行います。
(2) 外国に住所を有する方
居住国を管轄する日本大使館または総領事館(在外公館)で届出を行います。
届出書の記載や添付書類は、国内外で共通の部分もありますが、国によって求められる翻訳や認証の形式が異なるため、在外公館に事前確認を行うことが重要です。
3.届出後の戸籍反映と法的効果
国籍離脱の届出が正式に受理されると、その事実が戸籍(除籍)謄本に反映されます。
届出が受理されるまでは、日本国籍を有しているとみなされるため、届出を行っただけでは直ちに日本国籍を喪失したことにはなりません。
届出の受理後、法務局や在外公館から本籍地の市区町村へ通知され、戸籍に「日本国籍離脱」と記載されることで、正式に効力が生じます。
また、国籍法第13条第2項に基づき、離脱要件を満たした届出が適法に行われた場合は、その届出の時点で日本国籍を離脱したものとみなされます。
ただし、この離脱の効果は本人のみに生じ、配偶者や子などの親族には及びません。
4.届出後の確認と在留申請への影響
戸籍に国籍離脱の記載が反映されるまでには、数週間から数か月を要する場合があります。
在留資格の申請を行う際には、最新の戸籍(除籍)謄本を取得し、国籍離脱の記載が明記されていることを確認してください。
もし記載が反映されていない状態で申請を進めると、審査官から補正や再提出を求められる可能性が高く、結果的に審査期間が長期化します。
4.元日本人の在留資格取得に関するQ&A
Q1. 元日本人が典型的に取得する在留資格は?
A. 元日本人の方が日本に帰国し、長期的に滞在する場合、「日本人の配偶者等」の在留資格を取得するケースが最も一般的です。
この「配偶者等」には、単に日本人と婚姻している方だけでなく、日本人の特別養子や日本人の子として出生した方(海外出生を含む)も含まれます。
具体的には、次のような方が該当します。
- 日本人の配偶者であり、婚姻の実体(同居・生計の一体性・社会的認知など)を示すことができる方
- 日本人の父または母の実子(嫡出子・認知された非嫡出子を含む)である方
- 日本人の特別養子であり、家庭裁判所の審判を受けている方
「元日本人」という理由だけで特別な優遇措置があるわけではなく、現在の国籍に基づいて通常の在留資格申請を行う必要があります。
就労・扶養・子の教育・介護など複合的な事情がある場合には、入管実務上の判断が異なることもあるため、専門家に相談のうえ、個別に資料設計を行うことをおすすめします。
Q2. 「国籍喪失」と「国籍離脱」は何が違うのですか?
A. どちらも「日本国籍を失う」という点では共通しますが、その原因と手続きが異なります。
- 国籍喪失:ご本人の意思で外国籍を取得した時点で、自動的に日本国籍を失うことを指します(国籍法第11条)。
- 国籍離脱:日本と外国の二重国籍となっている方が、日本国籍をやめる旨を届け出る行政手続です(国籍法第13条)。
届出先は、日本国内であれば法務局・地方法務局、海外にお住まいの場合は日本大使館・総領事館(在外公館)となります。
添付書類としては、外国籍取得証明書、戸籍関係書類、本人確認書類などが必要で、状況によっては翻訳・公証・アポスティーユ認証などが求められることもあります。
また、届出を提出してから戸籍に「国籍喪失」「国籍離脱」といった記載が反映されるまでには、一定の期間を要することがあります。
在留資格を申請する際は、必ず最新の戸籍(または除籍)謄本にその記載が反映されているかを確認してください。
この確認を怠ると、入管審査の過程で「国籍の整合性が取れていない」と判断される可能性があり、審査の遅延や不許可につながる場合があります。
Q3. 戸籍に喪失・離脱の記載が無い場合はどうすればよいですか?
A. 戸籍に国籍喪失や離脱の記載がない場合は、まず国籍喪失または国籍離脱の届出を行う必要があります。以下のような手順で進めてください。
- 手続内容の確認:ご自身の状況が「喪失」か「離脱」に該当するかを確認します。
- 必要書類の準備:外国旅券、外国国籍取得証明、戸籍謄本、本人確認書類、翻訳文などをそろえます。
- 届出の提出:日本に住所がある場合は法務局・地方法務局、海外に住所がある場合は在外公館へ本人(15歳未満の場合は法定代理人)が届け出ます。
- 戸籍の記載確認:届出受理後、戸籍に「国籍喪失」または「国籍離脱」と記載されたことを確認します。
- 在留資格申請:上記を完了したうえで、「日本人の配偶者等」など該当する在留資格の申請を行います。
書類の翻訳や認証の形式に不備があると、審査が長期化することがあります。Web通帳や電子書類を提出する場合は、加工・編集ができない形式で印刷したものを使用するなど、提出要領に注意してください。
Q4. 国籍を失ったあと、日本人として入国した場合のリスクはありますか?
A. はい。すでに日本国籍を喪失または離脱しているにもかかわらず、日本人として入国・在留した場合、入管法上の「不法入国」または「不法在留」に該当します。
このような場合、退去強制の対象となり、上陸拒否期間(5年または10年)が科されるおそれがあります。
また、虚偽の申請や書類の偽造が確認された場合、今後の在留資格申請・永住許可・帰化申請などにも重大な影響を及ぼすことがあります。
国籍と戸籍の整合を正しく取ったうえで、適法な在留資格を取得することが大切です。
事情が複雑な場合(長期の海外在住、親子関係の立証困難、支弁者が海外にいる等)は、専門家による確認が安心です。
無料相談にて、国籍・戸籍の整理から在留資格申請まで一貫してサポートいたします。
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5.国籍離脱者の日本人配偶者ビザ取得のまとめ
日本国籍を離脱した「元日本人」の方が日本に帰国し、長期的に生活を始めるためには、現在の国籍・家族関係・滞在目的に応じた正しい在留資格の申請が必要です。
なかでも、日本人の配偶者や日本人の子としての立場を基に滞在する場合は、在留資格「日本人の配偶者等」を取得することが最も一般的です。
一方で、国籍喪失や国籍離脱の手続きが未完了で戸籍に記載がない場合、入管審査で「国籍の整合性が確認できない」と判断されることがあります。
そのため、まずは在外公館や法務局での正式な届出を行い、戸籍(除籍)に反映されているかを確認したうえで申請を進めることが大切です。
また、申請書類の整備や翻訳・認証の形式に不備があると、審査が長期化したり、不許可になるケースもあります。
国籍や戸籍、親族関係など複数の要素が関わるため、専門家による書類設計・立証方針の確認を受けてから申請することをおすすめします。
行政書士法人ACROSEEDでは、元日本人や日系人の方をはじめ、日本人配偶者ビザ・定住者ビザ・永住許可など、国籍関連のご相談を多数取り扱っております。
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行政書士法人ACROSEED
代表社員 佐野 誠
日本行政書士会連合会(登録番号第01080685号)
東京都行政書士会(会員番号第4568号)
1986年 創業
親子2代で外国人法務に特化し39年目を迎えます。
2001年 行政書士登録
国際行政書士として23年のキャリアを誇ります。
2023年 東京都行政書士会国際部員に就任
東京都行政書士会に所属する行政書士の育成と発展に貢献しています。
【実績】
ACROSEEDの法務サービスは上場・グローバル企業をはじめ、1000社以上の企業様に選ばれています。また、外国人雇用に関連したセミナー講師、著書、原稿執筆などの実績が多数あります。
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