外国人新卒採用の在留資格と手続き
1.外国人新卒採用手続きの概要
1.外国人を新卒採用する場合の会社側の手続き
外国人を新卒採用する場合、日本人を採用する場合の手続きのほかに出入国在留管理局での在留資格にかかる手続きが加わります。
新卒採用の場合、海外の大学を卒業した人材を海外から招へいする場合と、日本の大学・専門学校を卒業した外国人留学生を採用する場合の2パターンにわかれます。
どちらの場合も、万が一出入国在留管理庁局で就労可能な在留資格を取得できなかった場合には、就労はできませんので内定取り消し等の事態となり得ます。
また、就労可能な在留資格の許可取得が入社時期に間に合わなかった場合も、入社後の新人研修をスケジュールどおりに行えないなど、採用企業にとってリスクとなります。
したがって、外国人を新卒採用する場合は、採用計画の段階から就労可能な在留資格の取得の可能性と申請時期を考慮しながら選考を進めていく必要があります。
1.採用計画
1.職務内容と在留資格の明確化
通常、就労できる在留資格を取得するには入社後の職務内容と採用する学生の大学又は日本の専門学校の専攻との関連性が問われます。希望する職務内容がどの在留資格に該当するのか、その在留資格を取得するのに外国人の専攻、学歴、待遇は何が必要かといった要件を採用前に確認する必要があります。
2.海外から呼び寄せる場合
フィリピンなどの一部の国では自国民が海外で就労する場合には自国からの出国許可が必要となります。この出国許可を取得するのに時間がかかるケースもありますので、海外から招へいし日本で採用する場合には自国側の手続きが必要か確認することをおすすめします。
2.面接時
面接では日本語レベルの確認はもちろん、在留カードで現在の在留資格と在留期限を確認します。
ここで重要なのが、在学中にアルバイトを行っていた場合、資格外活動許可を取得して、且つ許可の範囲内で適切にアルバイトを行っていたかどうかです。
国内の留学生の場合、在学中のアルバイトは住居地を管轄する出入国在留管理局で資格外活動許可を取得した上で週28時間までしか認められていません。
留学生の中には、この資格外活動許可を取得しないでアルバイトをしているケースや制限された時間を超えて働いているケースもあります。
これらの行為は「出入国管理及び難民認定法」(以下、入管法)上の不法就労に該当しますので、採用後に就労可能な在留資格を申請しても不許可となる可能性があります。
したがって、外国人留学生との面接の際には在学中のアルバイトの状況を確認した方がよいでしょう。
3.採用時
外国人を採用する場合、採用がまず先でそのあとに在留資格の手続きを行う必要があります。
したがって、せっかく良い人材を採用できても就労可能な在留資格が取得できなかった場合には採用を取り消さなければなりません。
そのような事態に備え、雇用契約書を交付する際には就労可能な在留資格が取得できなかった場合の対応についても記載し、外国人本人からも承諾を得ておく必要があります。
採用した外国人が日本語の文章を十分に理解できない可能性がある場合には、就業規則などの社内規定を外国語に翻訳しておくことも将来的な労務トラブルの予防措置となりますので検討が必要です。
4.入社後
外国人の雇入れ及び離職の際には、ハローワークでの「外国人雇用状況の届出」が事業主に対し義務づけられています。
届出を怠ったり、虚偽の届出を行った場合には、30万円以下の罰金の対象となります。
通常、雇用保険被保険者資格取得届又は雇用保険被保険者資格喪失届を提出することで、外国人雇用状況の届出を行ったこととなりますので特別な手続きは必要ありませんが、雇用保険被保険者とならない外国人を雇用する場合には別途手続きが必要となります。
また、就職した場合には外国人本人が14日以内に出入国在留管理庁長官に対し所属機関に関する届出を行う必要があります。
この届け出を行わなかった場合、入管法に定める届出等の義務を履行していないということでその後の在留期間の更新手続きで3年や5年の長期の許可が取得できないなどのケースが見られますので、会社側でも外国人本人が届出手続きを行ったか確認をした方がよいでしょう。
2.外国人留学生の採用活動における問題点
外国人留学生の採用を行う場合、真っ先に考慮しなければならないのが入管法の存在です。一般的な日本人社員の採用の基礎となる労働法などに加え、外国人留学生の場合には在留管理制度などを規定する入管法も順守しなければなりません。そのため、日本人社員の採用では発生しない以下のような問題が生じることがあります。
外国人留学生「採用前」のよくある問題
・募集から採用に至るまでのスケジュール調整
・10月採用における卒業から入社までの問題
外国人留学生「採用時」のよくある問題
・入社前後の社員研修実施にかかるスキーム構築
外国人留学生「採用後」のよくある問題
・入社後の在留資格にかかる手続きを企業で行うべきか本人にまかせるべきか
・外国人従業員の質問に対応できる企業担当者の育成
従来、外国人留学生の採用にあたってはその職種を“通訳・翻訳”や“エンジニア”などに限定したものがほとんどでした。しかし、現在では幹部候補として職種の枠を超えて日本人社員と区別なく採用することも珍しくありません。
採用にあたっては国籍を問わずに優秀な学生から内定をだし、「外国人留学生と日本人社員の職務において区別を設けない」とする企業が増加しています。
その結果、研修の一環として店舗での接客や商品販売などに従事するケースも多くみられるようになりましたが、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」などの就労可能な在留資格の要件とミスマッチが発生し、出入国在留管理局から指摘を受ける事例も見られます。
2.外国人新卒採用の在留資格手続きと流れ
1.国内の大学・専門学校を卒業した外国人を新卒採用する場合
このケースでは通常内定者は留学もしくは就職活動を目的とした特定活動の在留資格を所持していますので、就労が可能な在留資格へ変更が必要となります。
在留資格の変更手続きは原則として内定者本人が管轄の出入国在留管理官局で行います。
しかし、本人任せにした場合、留学生自身も初めての手続きで不慣れなため、在留資格の手続きが入社までに間に合わないケースや申請手続きの不手際で不許可となるケースもありえます。
したがって企業の担当者が手続きの進捗や申請書類の確認などサポートする方がよいでしょう。
また、採用人数がある程度多くなってきた場合や本人任せが不安な場合は、行政書士など外部の専門家に依頼するか、または会社の担当者が出入国在留管理局長から申請等取次者の承認を得たうえで、申請人の依頼を受けて代わり申請を提出することも選択肢としてでてきます。
会社の担当者が申請等取次者となれば、内定者の代理として在留資格の手続きを本人に代わって提出することが可能となりますので、企業側の業務負担は増えるものの外国人内定者にとっては安心して入社日を迎えることができるようになります。
申請等取次者としての承認を希望する場合は、指定された日程の研修会(1日)を受講のうえ、出入国在留管理局長へ申請等取次の申出を行い、適当と認められると申請等取次者として承認されます。なお、これまでに入管法に違反する行為やその他外国人の入国・在留管理上申請等の取次ぎを承認することが相当でない行為を行ったことがないなど信用できる者であることや、外国人の入国・在留手続に関する知識を有していると認められる者であることなど定められた条件を満たす必要があります。
申請等取次者の承認手続きの詳細は出入国在留管理庁のホームページをご覧ください。
出入国在留管理局での在留資格変更の流れ
以下は、出入国在留管理局で在留資格変更を行う場合の流れです。
2.海外の大学を卒業した外国人を招へいし新卒採用する場合
このケースでは内定者を海外から招へいするための在留資格認定証明書交付申請を受入機関の所在地を管轄する出入国在留管理局へ提出します。
在留資格認定証明書交付申請は外国人を受け入れようとする機関の職員が本人に代わって手続きを行います。
出入国在留管理局での在留資格認定証明書交付申請の流れ
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1
- 申請書類の作成
- 在留資格認定証明書交付申請に必要な書類を収集し、申請書類を作成します。
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2
- 出入国在留管理局への申請
- 審査上問題がなければ、通常はおよそ1ヶ月から3ヶ月ほどで審査が終了します。
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3
- 認定証明書の送付
- 審査終了後、出入国在留管理局から在留資格認定証明書(COE)が企業(※)に送付されます。※行政書士等が申請取次を行った場合は、行政書士等へ送付されます。
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4
- 海外在住の外国人に送付
- 在留資格認定証明書(COE)を海外在住の外国人にEMSなどで送付します。 ※現在は、在留資格認定証明書の電子化が始まり、在留資格認定証明書を電子メールで受領することも可能です。
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5
- 現地の日本大使館/総領事館で査証(ビザ)申請
- 海外で在留資格認定証明書(COE)を受領した外国人は、最寄り日本大使館/総領事館で査証申請を行います。問題がなければ、通常は1~2週間ほどで査証が発給されます。
-
6
3.外国人を新卒採用する場合の在留資格
就労関係の在留資格は現在19種類ありますが、一般的に外国人の新卒採用の場合は以下の4種類の在留資格取得が検討されます。
・高度専門職
・特定活動(告示46号)
・特定技能
1.在留資格「技術・人文知識・国際業務」
19種類ある就労関係の在留資格の中で最もポピュラーのが、この「技術・人文知識・国際業務」の在留資格です。
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は、日本の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学、その他自然科学の分野(理系分野)もしくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野(文系分野)の技術もしくは知識を必要とする業務に従事する外国人、または外国人特有の感性を必要とする業務に従事する外国人を受け入れるために設けられたものです。
いわゆる管理職・事務職・研究職のための在留資格で、該当する業務の例としては、以下があげられます。
ITエンジニアリング、科学研究、建築、製品開発など
法人営業、マーケティング、企画・広報、経理や金融、会計、組織のマネージャーなど
翻訳通訳、語学の指導、海外取引業務、海外の感性を活かしたデザインや商品開発など
「技術・人文知識・国際業務」の取得要件など詳細は以下のページをご覧ください
技術・人文知識・国際業務の取得
在留資格「技術・人文知識・国際業務」とは、日本の公私の機関との契約に基づいて行う以下の業務に従事する外国人を受け入れるために設けられた在留資格です。
2.在留資格「高度専門職」
在留資格「高度専門職」は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で認められた活動のうち、「技術」と「人文知識」にあたる業務が該当します。「国際業務」に該当する翻訳通訳、語学の指導、海外取引業務などの仕事は「高度専門職」に含まれませんので注意が必要です。
出入国在留管理庁が公表している「ポイント計算表」と言われる要件をクリアした場合に高度外国人材として、在留資格「高度専門職」の申請が可能です。
高度外国人材となった場合のメリットは以下の通りです
就ける仕事の幅が広がる
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では、その在留資格に限定された職種にしか就くことができませんが、「高度専門職」であれば就労活動を行いながらその知識や経験を生かして会社を経営するようなことも認められます。「在留期間」は5年が必ずもらえる
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では1年、3年といった在留期間が与えられることがありますが、「高度専門職」であれば必ず最長期間である5年の許可がもらえます。永住許可要件の一部緩和
通常は永住権許可を申請するためには日本で10年以上滞在していなければなりませんが、高度外国人材の場合には3年または1年の滞在で永住権許可の申請を行うことができます。配偶者の日本での就労の幅が広がる
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の場合、その配偶者である妻などが日本で働く場合には資格外活動許可を取得のうえ週28時間以内のアルバイトしか認められていません。しかし、高度外国人材と認められた方の配偶者の場合には、学歴・職歴などの要件を満たさない場合でも「特定活動(告示33号)」へ変更のうえ、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格で認められた就労活動を行うことができます。親の呼び寄せ
一部の例外的な扱いを除き、日本には外国人の親を日本に呼び寄せるための在留資格は存在していません。しかし、高度外国人材の場合、高度外国人材とその配偶者が7歳未満の子ども(養子も含む)を育てている場合、または高度外国人材の配偶者が妊娠している、あるいは高度外国人材自身が妊娠している場合に、介護や家事、その他必要な支援を提供する目的で、その高度外国人材又は配偶者いずれか一方の親が日本に入国し、滞在することが認められます。メイドさんの雇用
海外で雇用したメイドさんを日本に連れてくることは、雇用する外国人が会社経営者や外交官、弁護士などの一部の人に限定されていましたが、高度外国人材であれば一定の条件を満たして外国人メイドさんを雇うことができます。在留審査の優先処理
「高度専門職」の場合、出入国在留管理局へ申請を提出後、5日以内を目途に優先的に早期処理がされることとされています。但し、提出資料等の詳細を確認する必要がある場合などにおいてはこの期間を超えるケースも多数あります。「技術・人文知識・国際業務」などの一般の就労関係の在留資格では30日~60日程度(ケースによってはそれ以上)かかることもあります。このように高度外国人材になると様々なメリットを享受できますが、中でも永住許可要件の一部緩和(日本での滞在10年以上⇒最短1年に短縮)はインパクトが大きく、これを目標に多くの外国人が高度外国人材となることを目指しています。
したがって、在留資格「技術・人文知識・国際業務」で就労可能な場合であっても、外国人本人が「高度専門職」の在留資格を希望するケースが多くなっています。
在留資格「高度専門職」の詳細は以下のページをご覧ください
在留資格「高度専門職」の取得
外国人を雇用する企業様からご相談が多いのが、「高度専門職」の取得についてです。雇用した外国人従業員から人事部等に「高度専門職を取りたいのですが…」と言った問い合わせが入ることが多く、ご担当者様が忙しい中調べると言った状況が多いようです。
3.在留資格「特定活動(告示46号)」
日本の大学卒業者が日本の公私の機関において、常勤の職員として雇われ、大学等において修得した広い知識,応用的能力等のほか,留学生としての経験を通じて得た高い日本語能力を活用すること、日本人が従事する場合に受け取る報酬と同等額以上の報酬を受けることを要件として、幅広い業務に従事する活動を認めるものです。
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格においては、一般的には接客などのサービス業務や製造業務等が主たる活動となるものは認められませんが、特定活動(46号)においては、上記諸要件が満たされれば、これらの活動も可能となります。
したがって、「技術・人文知識・国際業務」の業務をベースにサブ的に日本語を要する接客や現場業務を行うことができるイメージです。
ただし,法律上資格を有する方が行うこととされている業務(いわゆる業務独占資格が必要なもの)及び風俗関係業務に従事することは認められません。
特定活動(告示46号)で活動が認められ得る例は以下のとおりです。
1.飲食店に採用され、店舗管理業務や通訳を兼ねた接客業務を行うもの(日本人に対する接客を行うことも可能です。)。
※厨房での皿洗いや清掃にのみ従事することは認められません。
2.工場のラインにおいて、日本人従業員から受けた作業指示を技能実習生や他の外国人従業員に対し外国語で伝達・指導しつつ、自らもラインに入って業務を行うもの。※ラインで指示された作業にのみ従事することは認められません。
3.小売店において、仕入れ、商品企画や、通訳を兼ねた接客販売業務を行うもの(日本人に対する接客販売業務を行うことも可能です。)。※商品の陳列や店舗の清掃にのみ従事することは認められません。
4.ホテルや旅館において、翻訳業務を兼ねた外国語によるホームページの開設、更新作業等の広報業務を行うものや、外国人客への通訳(案内)を兼ねたベルスタッフやドアマンとして接客を行うもの(日本人に対する接客を行うことも可能です。)。※客室の清掃にのみ従事することは認められません。
5.タクシー会社において、観光客(集客)のための企画・立案や自ら通訳を兼ねた観光案内を行うタクシードライバーとして活動するもの(通常のタクシードライバ-3ーとして乗務することも可能です。)。※車両の整備や清掃のみに従事することは認められません。
6.介護施設において、外国人従業員や技能実習生への指導を行いながら、日本語を用いて介護業務に従事するもの。※施設内の清掃や衣服の洗濯のみに従事することは認められません。
7.食品製造会社において、他の従業員との間で日本語を用いたコミュニケーションを取りながら商品の企画・開発を行いつつ、自らも商品製造ラインに入って作業を行うもの。※単に商品製造ラインに入り,日本語による作業指示を受け、指示された作業にのみ従事することは認められません。
在留資格「特定活動(告示46号)」の詳細は以下のページをご覧ください
在留資格「特定活動(告示46号)」の取得
インバウンド需要の高まり、それに日本語能力が不足する外国人従業員や技能実習生への橋渡し役などにおいて、大学・大学院において広い知識を修得し高い語学力を有する外国人留学生の採用ニーズが幅広い業務で高まっています。
4.在留資格「特定技能」
現業系職種の人手不足が深刻な産業分野に、一定の専門性・技能をもち即戦力となる外国人を労働者として受け入れるための在留資格が「特定技能」です。
「特定技能」の在留資格をもつ外国人が働ける業界は12分野となっています。
身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)のほか、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施,機能訓練の補助等)
※訪問系サービスは対象外
建築物内部の清掃
鋳造、鍛造、ダイカスト、機械加工、金属プレス加工、鉄工、工場板金、めっき、アルミニウム陽極酸化処理、仕上げ、機械検査、機械保全、電子機器組立て、電気機器組立て、プリント配線板製造、プラスチック成形、塗装、溶接、工業包装
型枠施工、左官、コンクリート圧送、トンネル推進工、建設機械施工、土工、屋根ふき、電気通信、鉄筋施工、鉄筋継手、内装仕上げ/表装、とび、建築大工、配管、建築板金、保温保冷、吹付ウレタン断熱、海洋土木工
溶接、塗装、鉄工、仕上げ、機械加工、電気機器組立て
自動車の日常点検整備、定期点検整備、分解整備
空港グランドハンドリング(地上走行支援業務、手荷物・貨物取扱業務等)、航空機整備(機体、装備品等の整備業務等)
フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービスの提供
耕種農業全般(栽培管理、農産物の集出荷・選別等) 畜産農業全般(飼養管理、畜産物の集出荷・選別等)
漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等)
養殖業(養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理・収獲(穫)・処理、安全衛生の確保等)
飲食料品製造業全般(飲食料品(酒類を除く)の製造・加工、安全衛生)
外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)
在留資格「特定技能」の詳細は以下のページをご覧ください
在留資格「特定技能」の取得
従来、「技術・人文知識・国際業務」などの就労可能な在留資格では飲食業や宿泊業、介護事業などで働くことは原則としてできませんでしたが、「特定技能」の在留資格を取得すればコンプライアンス的にも安心して雇用することができます。
4.在留資格の必要書類
必要書類につきましては法改正等で頻繁に変更が生じるため、最新の情報を出入国在留管理庁のホームページでご確認ください。
弊社に業務をご依頼いただいた場合には、出入国在留管理庁のWEBサイトに掲載されている必要書類や長年に亘る弊社の申請等取次者としての経験をベースに、お客様の状況にあわせてもっとも許可率が高くなると思われる書類をご準備いたします。
1.在留資格「技術・人文知識・国際業務」
2.在留資格「高度専門職」
3.在留資格「特定活動(告示46号)」
4.在留資格「特定技能」
5.外国人新卒採用のスケジュール
外国人留学生の新卒採用の際に最も注意しなければならないのが、スケジュール管理です。原則として就労が開始される4月1日までには「留学」から就労可能な在留資格への変更が完了し、新在留カードの交付を受けることが必要となります。
なお、外国人留学生を新卒採用する場合、常に在留資格が「留学」とは限りません。外国人留学生が大学等を卒業後、引き続き日本国内で就職活動を行う場合には「特定活動」の在留資格で一定期間滞在することが認められています。
在留資格「特定活動」は在留目的が就職だけに限られず、実に様々な目的で利用されているため、採用時に在留資格が「特定活動」となっている場合には、就職活動を目的として取得したものかを本人の旅券に貼られた指定書で確認したほうがよいでしょう。
外国人留学生を4月に新卒採用する場合の流れは原則として以下の通りです。
-
1
- 10月頃までに
- 面接から内定
-
2
- 12月から翌年1月頃
- 出入国在留管理局で在留資格の変更手続きを行います。審査結果の通知書の受領は例年3月上旬~中旬が多くなっています。
-
3
- 3月末
- 卒業式後に卒業証明書の原本が発行されてから出入国在留管理局で新在留カードの交付手続きを行います。
-
4
- 4月1日以降
- 就労開始
外国人留学生の在留資格変更の時期と注意点
外国人留学生は卒業時に「留学」から「技術・人文知識・国際業務」などへの変更申請を行うのが一般的ですが、4月入社の外国人留学生の就職にかかる変更申請に限り、12月1日から申請が受け付けられます。
通常は入社予定日のおよそ3か月前からですが、出入国在留管理局の混雑緩和を目的に4か月前である12月から受け付けられています。
このケースで注意が必要なのが、申請に対する結果の通知日です。出入国在留管理局は大学等の卒業を条件に在留資格変更の許可を出すため、新在留カードの交付時に卒業証明書の原本の提出を求めます。しかし、卒業証明書は3月下旬まで発行しない大学が多く、結果として12月初旬に申請を行っても卒業証明書の原本が発行されるまで在留資格の変更手続きを完了することができないケースもあります。
また、万が一4月1日までに在留資格変更の結果が出ない場合には就労させることができないため、その外国人従業員のために入社時期を遅らせる等の特別な対応をとらなければなりません。
このような事態をさけるためにも、可能であれば12月中に留学ビザから就労ビザへの変更申請を済ませたほうがよいでしょう。
複数の外国人新卒者を採用した場合には3月に人事業務が偏りますので注意が必要です。
6.在留資格変更申請が不許可となるケース
1.仕事内容と在留資格の不一致
外国人雇用における在留申請が不許可となる一番の原因は、変更を希望する在留資格への該当性が認められないというものです。
つまり、自社で行わせる業務が、そもそも「技術・人文知識・国際業務」 や 「技能」等の在留資格に該当していないという理由によるものです。
特に、最近の外国人雇用では、外国人従業員が総合職として採用されることが多いため、企業は他の日本人従業員の採用と同様に考えがちです。
しかし、社内研修のための店舗や工場への配置、ジョブローテーションなどは、在留資格の該当性に問題が生じやすい例といえます。
また、このような業務を出入国在留管理局に一切知らせることなく申請し許可を取得した場合、たとえ一時的な研修であったとしても、 外国人従業員が店舗で働いていた場合に は不法就労となる可能性が出てきます。
雇用企業側が虚偽申請を疑われてしまう可能性もあるため、慎重な対応が求められます。
2 専門性と職務内容の不一致
不許可の理由として次いで多いのが、 「外国人本人が持つ専門性と職務内容の関連性の薄さ」です。
原則として就労可能な在留資格は、「外国語が話せる」「経営学の知識がある」 「貿易業務の経験がある」 といった外国人本人が持つ専門性と、実際に行う職務内容とが関連しなければ許可されません。
例えば、日本の大学で経済学を学んだ外国人留学生が卒業後に金融機関に入社する場合などは許可が下りやすく、一方で、服飾の専門学校を卒業した外国人留学生が金融商品の営業を行う場合などは関連性の薄さにより不許可となる可能性が高いといえます。
3 雇用企業に問題があるケース
雇用企業側に何らかの問題があるケースにも、在留申請が不許可となる場合があります。
会社が提出した決算書の内容から判断して正社員として雇用できる可能性が少ない場合や、会社規模があまりにも小さい場合など、雇用企業の事業の継続性に問題がある場合などがこれに該当します。
また、申請後、出入国在留管理局が本人確認のために会社に連絡したところ、平日の昼間であるにもかかわらず、誰も電話に出ずに会社の実在が怪しまれるケースもあります。
同様に、出入国在留管理局からの問合せに対して、社内に連絡が行き渡っていなかったために、偶然電話に出た従業員が 「そんな社員は知りません」と回答し、不許可となった例もあると聞きます。
4 外国人自身に問題があるケース
一方で、外国人自身に問題があり、在留申請が不許可となるケースは、過去に出入国在留管理局とトラブルを起こしていたり、入管法違反を犯していた場合などです。
特に留学生のアルバイトについては資格外活動許可の範囲を超えて就労していた場合の入管法違反に注意が必要です。
これらは本人が正直に雇用企業に伝えなければどうしょうもないものです。
こういった事態を防ぐためにも、面接時に本人とよくコミュニケーションをとり、これまでのアルバイトの経歴などを確認する必要があります
7.外国人雇用企業の入管法違反のリスクと罰則
国内外との競争にさらされるグローバル企業は、常にコンプライアンスを意識したスピード感のある戦略実行が要求されます。中でも外国人留学生の採用・雇用に関しては、入管法や労働法などの様々な規制があるため、コンプライアンスは絶対的な要件といえます。
現在の入管法においてはカテゴリー1.2の大企業については大幅な提出書類の緩和がなされていますが、入管法自体が緩和されているわけではありません。在留資格取消し制度、不法就労助長罪の創設、在留管理制度の導入など、在日外国人の管理手法は一段と厳格さを増しています。
そのため、外国人雇用においてはコンプライアンスを意識した受け入れ態勢を構築し、様々な制約の中で雇用企業の業務スケジュール通りに業務を遂行させることが求められます。
外国人雇用においては複数の法律や専門分野が重なるため、外国人留学生の在留資格の変更申請、募集・採用手続き、人事・労務の3点からのアプローチが不可欠となります。
1.不法就労
不法就労の典型的な例としては、入管法で定められた活動以外のことを行う場合が多く、エンジニアなどが持つ「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で工場内での単純作業などに従事している場合などが該当します。
具体的には、自動車部品の設計や工程管理などを仕事内容として在留資格を申請し許可を取得したにも関わらず、実際に行うのは中古自動車の解体や流れ作業である場合です。
このような場合には、許可を受けた在留資格で認められた活動の範囲を超えた業務に従事しているので入管法に違反し不法就労と見なされてしまう可能性があります。外国人本人は不法就労で退去強制となり、雇用企業も不法就労助長罪で責任を追及されるケースがありますので注意が必要です。
2.不法就労助長罪
事業主側に課される処罰には不法就労助長罪があります。
事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせたり、あるいは、業として外国人に不法就労活動をさせる行為に関しあっせんしたなど、外国人の不法就労活動を助長した者は、入管法73条の2第(不法就労助長罪)により、3年以下の懲役または300万円以下の罰金(又は併科)に処せられます。
具体的には不法残留の外国人のみでなく、在留資格は保持していても就労できない在留資格の外国人等を雇用した場合には事業主自身も入管法違反となり、処罰の対象となります。
そのため外国人と雇用関係を結ぶ場合には、必ず事前に何の在留資格で在留する外国人であるのか、さらには就労可能な在留資格を有していても当該業務に関して就労可能な在留資格であるか等の確認が必要となります。
3.所属機関に関する届出
「技術・人文知識・国際業務」や「高度専門職」などで在留している外国人は、会社に入社した場合や転職した場合、合併等で法人名が変わった場合など、所属機関に関して何か変更があった場合には、14日以内に「所属機関に関する届出」を入国在留管理庁長官に届け出しなければなりません。
1.所属機関との契約が終了した場合の届出
転職、退職などにより、現在所属している契約機関との契約が終了した場合の届出です。
2.新たな所属機関と契約を締結した場合の届出
転職により、新たな所属機関と契約を行った場合の届出です。
3.所属機関の名称変更の場合の届出
現在所属している所属機関の名前が変わったときの届出です。
4.所属機関の所在地変更の場合の届出
現在所属している所属機関の所在地が変わったときの届出です。
5.所属機関の消滅の場合の届出
現在所属している所属機関が廃業した場合の届出です。
この届出は外国人本人が行うものであり企業側の義務ではありませんが、届け出を忘れた場合には届出義務違反となり、在留期間の更新時に長期の在留期間の許可が取得しにくくなるなどの事例が出ています。
外国人従業員に安定継続して働いてもらうためにも、届け出が必要なタイミングがあれば雇用企業から外国人従業員にアナウンスするほうがよいでしょう。
8.外国人の新卒採用Q&A
- 外国人従業員の在留資格手続きは本人に任せてもよいでしょうか?人事が行ったほうがよいでしょうか?
- 外国人であるご本人が在留申請を行う義務があることは当然ですが、やはり日本語で行う手続きに不慣れなことが多いため、ご自身で在留手続きを行うことに不安を感じる方が多いようです。
当然、雇用企業としての義務はありませんが、可能であればご担当者の方が書類のチェックを行ったうえで申請はご本人にやってもらうか、行政書士などの専門家に依頼してしまうことも1つの方法です。
さらに、企業の担当者の方が申請等取次制度を利用して申請等取次者となれば自社で雇用する外国人従業員の申請を取り次ぐことが可能となります。
原則としてご担当者の方が外国人従業員の申請から結果の受領までをすべて行えるため、外国人従業員にとっての負担は大幅に軽減することができます。外国人従業員数や手続きの頻度などにもよりますが、一度検討されてみてはいかがでしょうか?
- 採用後に在留資格変更申請を行ったところ不許可の通知が届きました。雇用企業としては採用を見送るしかないでしょうか?
- 在留申請の結果が不許可となった場合、通知書には適合しない要件と根拠となる事実が記されているとは思いますが、通常は「申請人の素行が善良とは認められない」など、漠然とした文章が1行だけ記載されているだけです。
そのため、詳細な理由を確認するには、出入国在留管理局に直接出向き、その理由を確認するしかありません。
原則として不許可の理由説明は1つの申請につき1回しか行われず、説明が終了すると通知書に「説明済み」との印が押されます。そのため、確認したい事項に漏れがないかを事前に必ずチェックしなければなりません。
その後の対応は、確認した不許可の理由次第になるかと思われます。
是正が可能な内容であれば再申請することも考えられますし、本人の過去の滞在歴など是正ができないことが原因であれば雇用を諦めざるを得ないでしょう。
後者の場合は就労可能な在留資格が取得できなかったことを理由とする解雇となるため、外国人従業員に対しては十分に事情を説明して納得してもらうことが重要です。
- 外国人留学生を新卒採用し在留資格の変更申請を行いましたが、入社日になっても審査結果が届きませんでした。雇用企業としてどのように対応したらよいでしょうか?
- 就労可能な在留資格への変更申請中であっても、自社での仕事内容にあった在留資格の許可(及び新在留カードの交付)を受けていない以上、雇用企業として就労させるわけにはいきません。
現実的には入社時期そのものを1か月程度遅らせることになるかと思いますが、例えば複数人の採用者のうち1人だけ入社時期が遅れていると、社内研修のタイミングに差が生じることになり、コストや手間を含めて大きな影響を与えることになります。
そのためにも在留資格の申請は早めに行い、入社日までに必ず結果が届くようにスケジューリングしなければなりません。
9.外国人新卒採用の在留資格申請代行サービス
1.サービス概要
ACROSEEDの提供する“外国人留学生採用活動の法務サポート”をご利用いただければ、トラブルを防止しながらもコンプライアンスを意識した外国人留学生の採用活動をスムーズに進めることができます。
また、30年以上の経験と実績を誇る専門家による幅広いサービスが揃っているため、人事・総務ご担当者様のお手を煩わせることなく、時間・コスト・手間を省くことも可能です。
まずは採用に関する大まかな計画やご要望などをお伝えください。経験豊富な専門家が適切なサービスや解決策などをご提案致します。
2.サービスに含まれる内容
1.入社スケジュールのアドバイス
2.採用内定者への指示
(各自の出国スケジュールの把握、必要書類の指示、採用内定者のスケジュール管理)3.在留資格の申請手続き
(提出資料のチェック、申請書の作成、申請取次、結果の受領、新在留カード受領手続き)4.EMSでの海外発送
海外から招へいの場合、入国管理局から受け取ったCOEを海外在住の採用内定者に直接送付します。※弊社では通常DHLを使用します。また、現在は、在留資格認定証明書の電子化が導入され、在留資格認定証明書を電子メールで受領することも可能です。
5.在留資格申請後のサポート
審査状況の確認、追加資料の提出などこの他にも状況に応じて様々な事例に対応しております。お気軽にお問合せください。
3.ACROSEEDに依頼するメリット
- 開業1986年、業界最多レベル33,000件の申請実績
- 1000社以上の法人顧客に利用されている安心サービス
- 交通費ご負担なし!一律価格で全国対応
- 英語・中国語対応
- ISO27001取得でコンプライアンスを順守しています
開業1986年、業界最多33,000件の申請実績
行政書士法人ACROSEEDは1986年開業、法改正により行政書士に入管業務が開放された1990年の初年度から、申請取次行政書士として入管業務を専門に扱い、延べ申請件数は33,000件(2023年4月)を超えます。
現在は年間2000件~3000件の申請業務を扱うため、週に2回東京出入国在留管理局へ申請を行い審査状況や最新の法改正への対応などを確認しています。
ACROSEEDにご依頼頂いた場合には、最新の審査状況を熟知した、業界で一番豊富な実務経験によるサービスをご利用いただけます。
1000社以上の法人顧客に利用されている安心サービス
ACROSEEDでは、法人様のご依頼は、就労ビザ申請や外国人雇用に伴う各種許認可申請を専門に扱う法人対応専門の部署がお引き受けしております。
弊社のサービスは、「人事ご担当者様向けサービス」と「外国人従業員向け【福利厚生】サービス」の2種類がございます。
法人のお客様のニーズは外国人雇用の状況により様々であり、ご担当者様から抱えている問題点やご希望をお伺いした上で他社事例などをご説明しながら最適なサービスをご提案いたします。
無料にてご提案、お見積もりさせて頂きますので、お気軽にお問合せください。
ACROSEEDのサービスは東証1部上場企業様から中小企業様まで多くの法人様にご利用いただいています。
ACROSEEDの業務実績
ACROSEEDの法人対応実績、出版実績、メディア対応実績、セミナー実績など
交通費ご負担なし!一律価格で全国対応
行政書士法人ACROSEEDのオフィスは東京都千代田区の永田町にありますが、全国の申請業務を原則、交通費等を頂くことなく一律料金でお引き受けしています。
また、遠方のお客様にはSkypeやZoom等のシステムを利用したオンライン相談もご利用いただけますので、ご来社頂くお客様と同様に担当者の顔を見ながらマンツーマンでご相談や業務のご依頼をいただけます。
英語・中国語対応
ご希望があれば弊社バイリンガルスタッフが外国人留学生と直接やりとりをしながら申請をすすめることも可能です。
外国人からの各種手続きの問い合わせへの応対が人事ご担当者様の業務負荷となるケースが多く見られます。
申請人への手続きのご案内や申請の進捗管理等をACROSEEDにお任せいただければ、人事ご担当者様は大幅に業務負担を軽減することができます。
ISO27001取得でコンプライアンスを順守しています
ISO 27001は、組織が保有する情報にかかわるさまざまなリスクを適切に管理し、組織の価値向上をもたらすISMSの国際規格です。
ACROSEEDは業界でも先駆けてISO27001を取得し、情報漏洩等の事故防止にも力を注ぎ、お客様のパートナーとしてふさわしい実力を身に着けるために日々努力しております。
これにより、コンプライアンスを遵守する大手企業様にも安心してサービスをご利用いただいております。
4.在留資格の申請代行料金(税別)
・料金の詳細については、ご希望されるサービス、ボリューム、申請内容等により異なります。サービスの詳細やお見積もりは無料にて対応致しますので、お気軽にご連絡ください。
*ACROSEEDのサービスは全国対応です
在留資格認定証明書交付申請 (海外からの招へい) |
100,000円 前後 |
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在留資格変更許可申請 | 100,000円 前後 |
1986年の開業以来、外国人のビザ申請を中心に外国人を雇用する企業様のコンサルティングに40年近く携わっております。
電話相談、メール相談、オンライン相談、ご来社での相談が可能です。また、英語対応も可能です。