外国人内定者の特定活動ビザ取得ガイド:企業人事担当者向け"
1.外国人内定者に必要なビザ手続き
一般に外国人留学生を採用する場合、卒業時期が3月で4月入社の場合は、在留資格の手続きは留学から就労可能な在留資格への変更手続きを行うことになります。
しかし、9月・10月卒業の外国人が4月入社する場合は、卒業から入社まで長期的な空白期間が生じてしまいます。卒業すると、留学ビザの該当性を失うことになるため、翌年4月の入社まで、留学ビザのまま滞在して良いとは言えません。そのため、入社までの空白期間を埋めるため、内定待機を目的とした特定活動ビザへの変更をおこなう必要があります。
1.内定者のための在留資格「特定活動」
大学等の在学中に就職先が内定した方や,大学等を卒業後,継続就職活動中に就職先が内定した方が,企業に採用されるまでの間日本に滞在することを希望される場合,一定の要件を満たせば,採用時期までの滞在を目的とした「特定活動」の在留資格への変更が認められ,日本に継続して滞在することが可能です。
対象となるのは以下の方です。
・継続就職活動を目的とする「特定活動」の在留資格で在留されている方
2.内定者が在留資格「特定活動」を取得するための要件
2.外国人内定者の在留資格手続きの時期・注意点
外国人内定者のビザ手続きで最も注意しなければならないのが、スケジュール管理です。原則として就労が開始される4月1日までには「留学」または「特定活動」から就労可能な在留資格への変更が完了し、新在留カードの交付を受けることが必要となります。
1.外国人内定者の在留資格手続きのスケジュール
外国人内定者の4月入社のビザ手続きの一般的な流れは原則として以下の通りです。
2.外国人内定者のビザ手続きの注意点
外国人内定者の特定活動ビザから就労可能な在留資格への申請は、例年12月から申請が受け付けられています。
これは出入国在留管理局の混雑緩和を目的に毎年行われている措置のようです。
このケースで注意が必要な点は申請のタイミングです。
3月中に審査が完了せず、4月の入社日までに在留カードが交付されていない場合は、入社をしたとしてもフルタイムでの就労活動ができません。
そのため、入社時期や研修プログラムの変更等、企業側として想定外の特別な対応を取る必要性が発生してしまいます。
このような事態を極力避けるためにも、一日でも早く、できれば12月中に特定活動ビザから就労可能な在留資格への申請を完了させておく必要があります。
3.ビザ手続きにおける企業側のサポートの必要性について
在留資格の変更申請は、通常、外国人内定者が自身の住居地や入社後の稼働先を管轄する出入国在留管理局で行います。
ここでのポイントは申請の準備を誰が主導して行うかです。
外国人内定者の主導の下で申請準備を行った場合、企業側が主導して申請を準備するよりも、申請書類の不備や申請時期の遅れ等の影響により、審査期間の延長や在留カードの交付時期の遅れが発生する可能性が高まります。
このような事態に陥る可能性を少しでも抑えるため、企業側が主導して申請の準備をおこない、外国人内定者全員が統一性のある申請書類の提出、足並みを揃えた申請時期、申請後の進捗管理等を行う事が重要なポイントになります。
内定者数がある程度多くなってきた場合や社内のサポート内容に不安な部分がある場合は、在留資格制度を熟知した弁護士や行政書士等、外部の専門家に相談・依頼するケースもあります。
また、企業の担当者が出入国在留管理庁で申請等取次者の承認手続きを行うことも一つの選択です。
企業の担当者が申請等取次者となれば、内定者の代わりにビザの手続きが可能となりますので、企業側の業務負担は増加しますが外国人内定者にとっては安心して入社日を迎えることができるようになります。
申請等取次者としての承認を希望する場合は出入国在留管理庁に申請等取次の申出を行い、指定された日程の研修会(1日)を受講すると申請等取次者として承認されます。
申請等取次者の承認手続きの詳細は入管のホームページをご覧ください。
4.内定待機のための在留資格「特定活動」の必要書類
必要書類につきましては法改正等で頻繁に変更が生じるため、最新の情報を出入国在留管理庁のホームページでご確認ください。
ただし、注意して頂きたいのは、これらの書類を準備すれば申請が受付される可能性が高いという意味で、必ず申請が許可されるという訳ではありません。
ホームページ上では要求されていない書類についても、審査の段階で追加書類として提出が求められるケースが多くあります。
企業の事業内容や経営状況の説明書類、職務内容と学歴の関連性の立証書類等、審査がスムーズに進むよう企業側が率先して書類を準備し、申請時から提出する工夫等が求められます。
また、カテゴリー1及び2の企業は、カテゴリー3及び4の企業と比べて提出書類が簡素化されていますが、これは提出不要、審査の対象外という訳ではなく、審査官の判断により、必要に応じて追加書類として提出が求められます。
したがって、いつ提出が求められても対応できるよう前もって準備をしておくことが重要となります。
弊社に業務をご依頼いただいた場合には、出入国在留管理庁のホームページに掲載されている必要書類をベースに、お客様の状況にあわせて、もっとも審査がスムーズに進むと思われる書類を提案させていただきます。
1.内定待機のための在留資格「特定活動」
1.在留資格変更許可申請書 1通
2.写真 1葉(指定の規格を満たした写真を用意し、申請書に添付して提出)
3.パスポート及び在留カード 提示
4.申請人の在留中の一切の経費の支弁能力を証する文書 適宜
※ 当該申請人以外が経費支弁をする場合には、その者の支弁能力を証する文書及びその者が支弁するに至った経緯を明らかにする文書を提出してください。5.内定した企業において、採用後に行う活動に応じて変更することとなる、就労に係る在留資格への在留資格変更許可申請に必要な資料
なお、内定した企業がカテゴリー1、2に該当する場合であっても、以下の項目が記載された文書を1通提出してください。
2.主たる勤務場所(支店・事業所名および所在地、電話番号)
※ 派遣契約に基づく就労を予定している場合は、派遣先の勤務場所についても記載願います。
3.事業内容
4.給与(報酬)額
5.職務内容
※ 派遣契約に基づく就労を予定している場合は、派遣先での職務内容について記載願います。
6.内定した企業からの採用内定の事実及び内定日を確認できる資料 1通
7.連絡義務等の遵守が記載された誓約書 1通
8.採用までに行う研修等の内容を確認できる資料(該当する活動がある場合に限る。) 適宜
5.内定者の特定活動が不許可となるケース
在留資格「留学」から「特定活動」への変更の要件の1つに以下の項目があります。
したがって、申請自体は留学から特定活動への変更であっても、審査の内容は「技術・人文知識・国際業務」など就労可能な在留資格に該当するかどうか等が問われますので、在留資格の変更申請をする場合には慎重な対応が必要です。
1.該当性の不一致
外国人雇用における在留手続が不許可となる一番の原因は、在留資格の該当性です。
つまり、自社で行わせる業務が、そもそも「技術・人文知識・国際業務」 や 「技能」等の在留資格に該当していないという理由によるものです。
特に、最近の外国人雇用では、外国人従業員が総合職として採用されることが多いため、企業は他の日本人従業員の採用と同様に考えがちです。
しかし、社内研修のための店舗や工場への配置、ジョブローテーションなどは、在留資格の該当性に問題が生じやすい例といえます。
また、このような業務を出入国在留管理局に一切知らせることなく在留資格を取得した場合、たとえ一時的な研修であったとしても、 外国人従業員が店舗で働いていた場合に は不法就労となる可能性が出てきます。
雇用企業側が虚偽申請を疑われてしまう可能性もあるため、慎重な対応が求められます。
2 専門性と職務内容の不一致
不許可の理由として次いで多いのが、 「外国人本人が持つ専門性と職務内容の関連性の薄さ」です。
原則として就労可能な在留資格は、「外国語が話せる」「経営学の知識がある」 「貿易業務の経験がある」 といった外国人本人が持つ専門性と、実際に行う職務内容とが関連しなければ許可されません。
例えば、日本の大学で経済学を学んだ外国人留学生が卒業後に金融機関に入社する場合などは許可が下りやすく、一方で、服飾の専門学校を卒業した外国人留学生が金融商品の営業を行う場合などは関連性の薄さにより不許可となる可能性が高いといえます。
ただし、後者のような場合でも、当該外国人を雇用する 合理的な理由とその根拠を示すことができれば許可となることはあり得ます。
3 雇用企業に問題があるケース
雇用企業側に何らかの問題があるケースにも、在留資格手続が不許可となる場合があります。
会社が提出した決算書の内容から判断して正社員として雇用できる可能性が少ない場合や、会社規模があまりにも小さい場合など、雇用企業の継続性に問題がある場合などがこれに該当します。
このほかには、社内全体で外国人従業員が占める比率が偏っている場合なども、何のために外国人を雇用するのかが問題となることがあります。
また、申請後、出入国在留管理局が本人確認のために会社に連絡したところ、平日の昼間であるにもかかわらず、誰も電話に出ずに会社の実在が怪しまれるケースもあります。
同様に、出入国在留管理局からの問合せに対して、社内に連絡が行き渡っていなかったために、偶然電話に出た従業員が 「そんな社員は知りません」と回答し、不許可となった例もあると聞きます。
4 外国人自身に問題があるケース
一方で、外国人自身に問題があり、在留手続が不許可となるケースは、過去に出入国在留管理局とトラブルを起こしていたり、入管法違反を犯していた場合などです。
特に留学生のアルバイトについては資格外活動許可の範囲を超えて就労していた場合の入管法違反に注意が必要です。
これらは本人が正直に雇用企業に伝えなければどうしょうもないものです。
こういった事態を防ぐためにも、面接時に本人とよくコミュニケーションをとり、これまでのアルバイトの経歴などを確認する必要があります
6.内定者のアルバイト・インターンシップ
内定者のための「特定活動」を許可された方は,一定の要件を満たせば,資格外活動の許可を受けて1週間について28時間以内で行う資格外活動(いわゆるアルバイト)が可能です。
また,内定先の企業において採用までに行うインターンシップの場合などは,1週について28時間を超える資格外活動許可を受けることも可能です。
インターンシップの場合は,報酬の有無によって地方出入国在留管理局から許可が必要になる場合がありますので注意が必要です。
1.インターンシップにより報酬を受ける場合
在留資格「留学」、「特定活動(継続就職活動)」又は「特定活動(就職内定者)」をもって本邦に在留している方が、報酬を伴うインターンシップを行う場合には、最寄りの地方出入国在留管理局において、事前に資格外活動許可を受ける必要がありますが、インターンシップに従事する時間によって手続が異なります。
1.インターンシップに従事する時間が1週につき28時間(在籍する教育機関の学則により定める長期休業期間中にあっては1日8時間。以下同じ。)以内の場合
事前に最寄りの地方出入国在留管理局において、包括的な資格外活動許可を受ける必要があります。
※ 包括的な資格外活動許可とは、1週につき28時間で行う、いわゆるアルバイトに対する資格外活動許可のことを指しますが、インターンシップを行う時点で、既に包括的な資格外活動許可を有している場合には、改めて地方出入国在留管理局から許可を受ける必要はありません。
2.インターンシップに従事する時間が長期休業期間以外で1週につき28時間を超える場合
上記(1)の資格外活動許可とは別に、「1週につき28時間を超える資格外活動許可」を個別に受ける必要があります。
2.インターンシップにより報酬を受けない場合
在留資格「留学」、「特定活動(継続就職活動)」又は「特定活動(就職内定者)」をもって本邦に在留している方が、報酬を伴わないインターンシップを行うにあたっては、事前に地方出入国在留管理局から資格外活動許可を受ける必要はありません。
7.外国人内定者のビザ申請代行サービス
1.サービス概要
貴社の入社時期に合わせた外国人内定者のスケジュール管理および入社までに必要な在留資格の手続きを代行いたします。
ACROSEEDの提供する“外国人内定者の在留資格サポート”をご利用いただければ、トラブルを防止しながらもコンプライアンスを意識した外国人内定者の在留手続きをスムーズに進めることができます。
また、30年以上の経験と実績を誇る専門家による幅広いサービスが揃っているため、人事・総務ご担当者様のお手を煩わせることなく、時間・コスト・手間を省くことも可能です。
まずは採用に関する大まかな計画やご要望などをお伝えください。経験豊富な専門家がお伺いし、適切なサービスや解決策などをご提案致します。
導入事例一覧
お客様企業のニーズに合わせて、外国人社員のビザ取得に関する様々なサービスをご提案いたします
2.サービスに含まれる内容
1.入社スケジュールのアドバイス
2.採用内定者への指示
(必要書類の指示、採用内定者のスケジュール管理)3.ビザ申請手続き
(提出資料のチェック、書類の作成、代理申請)4.ビザ申請後のサポート
審査状況の確認、審査官との交渉、追加資料の提出など5.申請結果の受領
(結果の受領、新在留カード受領手続きなど)この他にも状況に応じて様々な事例に対応しております。お気軽にお問合せください。
3.ACROSEEDに依頼するメリット
- 開業1986年、業界最多レベル36,000件のビザ申請実績
- 1000社以上の法人顧客に利用されている安心サービス
- 交通費ご負担なし!一律価格で全国対応
- 英語・中国語対応
- ISO27001取得でコンプライアンスを順守しています
開業1986年、業界最多36,000件のビザ申請実績
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現在は年間2000件~3000件のビザ申請業務を扱うため、週に2回入管申請を行い審査状況や最新の法改正への対応などを確認しています。
ACROSEEDにご依頼頂いた場合には、最新の入管の審査状況を熟知した、業界で一番豊富な実務経験によるサービスをご利用いただけます。
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ACROSEEDは業界でも先駆けてISO27001を取得し、情報漏洩等の事故防止にも力を注ぎ、お客様のパートナーとしてふさわしい実力を身に着けるために日々努力しております。
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4.ビザの申請代行費用(税別)
・複数名の申請はお値引きさせていただきます。詳しくはお気軽にご連絡ください。
・ACROSEEDのサービスは全国対応です。遠方のお客様も下記料金で業務をご依頼頂けます。
・ビザカード、マスターカードによるお支払いも可能です。
1.留学から特定活動への変更 | 100,000円(税別) |
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2.特定活動から就労ビザへの変更 (1とあわせてご依頼の場合) |
50,000円(税別) |
1986年の開業以来、外国人のビザ申請を中心に外国人を雇用する企業様のコンサルティングに40年近く携わっております。
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